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ES全体の雰囲気も変わる? 文具メーカー各社が「就活専用ボールペン」発売

ビジネスパーソンにとって、書類作成はもっぱらパソコンというのが当たり前だが、学生にはまだまだ筆記用具が必要だ。特に履歴書やエントリーシート(ES)などの「就活書類」を書くときに、ボールペンが必須となる。

これに合わせて文具メーカー各社は、書類をきれいに仕上げるために便利なボールペン商品の開発に工夫を凝らしている。数少なくなった「手書き」の機会を、何とか確保しようとしているようだ。

ノック音を軽減する「消音パーツ」も使用

1112ball2セーラー万年筆の「就活ボールペン」は、東京都市大学の学生チームと共同で企画したもの。外見は普通のよくある3色ボールペンだが、インクは全て黒で、少しずつ太さが違うのがポイントだ。

エントリーシートや手帳で、細かい文字を書くときに使う0.5ミリ径と、履歴書や説明会でのメモなど日常的に使える0.7ミリ径、郵便物の宛名を書くときなどに使う1.0ミリ径の芯が入っている。

加えて、企業説明会でメモをとるときに音がカチカチならないよう、消音パーツを使用してノック音を軽減。さらに、いざというときにインクが切れて困らないよう、使用頻度の高い0.7ミリ径の替芯も収納されている。

セーラー万年筆の企画課の担当者によると、2012年に同様の「就活ボールペン」の第1弾を発売したところ、当初の見込みの3倍という好調な売上を記録したという。芯の太さを使い分けられるのが受けた。

「購入した学生の中には、『ESで強調したい部分を太字にする』といった使い方をしている人もいました」

11月に発売した新商品は、通常の「就活ボールペン 3way-S」(税込価格378円)と、消音仕様を外した「就活ボールペン 3way-M」(同1080円)の2種類。学生生協や文具店で販売し、年間売上10万本を目指すということだ。

「就活生を食い物にするな!」と抗議する人たちも

セーラー万年筆では10年ほど前にも、1本のペンに3つの違う太さの芯が入った「3M」を発売したことがあったが、そのときは「コンセプトがユーザーにうまく伝わらなかった」ため不振に終わった。それだけ「就活生向け」というワードが強いということだ。

こうした就活生を対象にしたボールペンは、他社からも発売されている。ぺんてる社の「就活ペン」は、エントリーシート用の極細0.35ミリ径と、履歴書に使う0.5ミリ径、書類のチェックに使う赤の0.5ミリ径の3本をセット。速乾性で書類を汚さないゲルインクを使っているのも特徴だ。

「就活ペン」は、通販サイトのアマゾンのレビューで5点中平均4点と評価が高く、購入者からは「就活中に大活躍だった」「スルスル、サラサラ、書けます」といったコメントが並ぶ。就活生の親が買うケースもあるようで、

「就活でエントリーシートを何枚も書いている息子へのプレゼント。書きやすく疲れないようです」

という書き込みもあった。ブログ「大学生はこれを見ろ」は、書き味の悪いボールペンだと文字がかすれたり滲んだりして、ES全体の雰囲気が変わってしまうと指摘。書き味滑らかな三菱鉛筆の油性ボールペン「ジェットストリーム」とゼブラ社のジェルボールペン「サラサ」を推奨している。

一方で、就活生からは「書類の手書き自体をやめさせるべきだ」という不満も根強い。就職氷河期に発生した「就活抗議デモ」では「就活ボールペンを廃止せよ!」「就活生を食い物にするな!」とシュプレヒコールがあがったこともあった。

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