30代の営業職の男性は、最低賃金と同額の給与で、月平均78時間の残業がある環境で働いている。休みは月平均で4日あるかないか。職場の様子について男性は、
「差別、人格否定。社員から訴えられないようにしつつ飼い殺す、未来のない職場でした」
と振り返る。
技術職に従事していた50代女性の元勤務先では、営業所長に「社長の飲み友達」が就任し、1年で3回も交代した。社長について、女性は、
「すべて口ばかりで仕事はできないし、そもそもやる気がない。 求人票記載の給料を『あれは男向けだから、女にはそんなにやれない』とカットされました」
そんな社長の口癖は、「女は男の半分の給料で、倍働くものだ」。飲み会では社長が女性の服の中に手を入れ、胸を揉むセクハラ行為に及んだ。女性が抗議すると営業所長に 「社長から『会社のカギを取り上げて追い出せ』と言われたから即時解雇だ」と言われた。
「経営者一族が、業務とは無関係な一族の家庭の用事を従業員に押し付ける」
販売・サービス業で働いていた30代男性は、「店長の機嫌次第で全てが決まる雰囲気がありました」と不満を漏らす。店長の機嫌を損ねれば、店がどんなに忙しくてもビラ配りの役割しか与えられなかった。
「ほかの従業員にも負担がかかるのに、誰かが地雷を踏むたびに定期的に起こる『さらし者の刑』は本当に嫌でした」
という。現在、男性は大手企業に転職し、仕事を楽しんでいる。
販売・サービス業に従事していた20代男性は、23歳の入社当初、性格に難がある45歳の上司と仕事をした。上司は男性が作業ミスをする毎に金銭をゆすってきた。「手持ちがなかったときは、殴られたり蹴られたりしました」というが、
「でも今思えば、劣悪な労働環境で、上司も自分の事に精一杯な人なんだなと思いました」
と上司を庇うような発言をしている。
ほかにも、
「社長によるパワハラ、休み無し、残業代なし、1週間以上家に帰れない、退職金を減らされた…書き出したらキリが無いです」(40代男性、管理・事務職)
「経営者一族が、業務とは無関係な一族の家庭の用事を従業員に押し付ける」(40代女性、技術職)
といったブラック上司エピソードが寄せられた。