「残業代の未払いが多く、業務が多忙で月に何十時間も残業がありました。朝は定時より2時間は早く来て準備。夜は定時近くまで現場作業をして、会社に戻ってから図面やら資料の作成でした。熱があろうが体調が悪くても仕事を振られ、休めない環境でした。残業代未払いが多く辞めることにしました」(施工管理、20代後半、男性、正社員、年収250万円)
「最も改善すべきは、社員や現場の扱いでしょう。残業代の未払い、休日対応の強要などで、どんどん人が辞め、同業他社に行っている状況。会社が強くなるわけがありません」(企画営業、30代前半、男性、正社員、年収550万円)
「在籍当時は残業未払い、労災隠しなど法律や法令違反を引き起こしていました。コンプライアンス度は非常に低かったです。責任取らないですし」(その他、30代前半、女性、正社員、年収360万円)
労働基準法は、事業主に従業員が1日8時間の労働時間を超えて働いた場合に「時間外労働」として25%以上の割増賃金を支払うことを義務付けている。また、勤務時間帯が午後10時を過ぎた場合には「深夜労働」となり、さらに25%を上乗せしなければならない。
しかし、口コミでは定時前後でも、残業代なしで仕事を振られた体験談や、休日出勤を強要されたにもかかわらず残業代が支払われないケースなどがみられた。いつ労働基準法違反を指摘されてもおかしくないだろう。
従業員のモチベーションに影響するケースも多いようで、口コミでは退職済みの人からの投稿が目立った。
問題化、改善したケースも「残業しないよう方針へ」「時間管理が厳密になった」
過去に未払い残業代が問題となり、その後改善が見られた企業の口コミも寄せられた。
「退職した年に、会社が残業代未払いでニュースにも取り上げられ、残業をしないようにする方向へ。仮に残業になったとしても、残業代は出すようになった」(ショップスタッフ、20代前半、男性、正社員、年収180万円)
「グループ全体で時間外労働賃金の未払いを指導され、過去5年間に遡って支払いをした経験があり、残業や休日出勤の時間管理は管理職が厳密に管理しています。申請した場合は理由を聞き取り、必要な時間外は承認し、不要な時間外は却下しています。休日出勤した場合も必ず振替休日を取得し、取得できなかった場合は自動的に賃金に精算されるようになっています」(総務、20代後半、女性、正社員、年収350万円)
未払いが発覚すると、事業主は労働基準監督署から是正勧告を受ける。勧告に従って是正しなかった場合は、法で罰せられる可能性もある。口コミの中には実際に、残業代未払いが明るみとなった体験談もあり、これらの企業は指導を受けたことで、残業の体制や労働時間の管理が改善したようだ。
本来、残業した分の賃金が支払われる、というのは当たり前のこと。企業がルールを守るのはもちろん、労働者側もタダ働きに屈せず、必要ならば労働基準監督署や社会保険労務士、弁護士などに相談する姿勢を持っておきたい。【参照元:キャリコネ】