ホワイト企業かどうかを判断する際、厚生労働省認定の安全衛生優良企業公表制度(=ホワイトマーク)は目安の一つになる。
しかし国のホワイト企業のお墨付きでも、そこで働く全員が「ホワイト企業と感じている」とは言い切れない。人の受け取り方は千差万別だ。30代男性からは、
「会社がホワイト企業認定をされているようなので、その手の安心感はあります。ただ店長職への昇進となると、すごく狭き門のため家庭持ちは給与面で辛いです。しかも店長職に上がれるレベルの人材は、他の会社でもっと稼いでいると思われます」(店長/正社員/年収370万円)
といった口コミが寄せられている。ほかには、
「完全ホワイト企業とは言えませんが、いわゆるブラック企業のようなことはないです」(営業/20代前半/男性/正社員/年収300万円)
とグレーな境界線上に立つ人の声も目立った。企業口コミサイト「キャリコネ」に寄せられた投稿を紹介する。(文:鹿賀大資)
「一旦見切られるとひたすら干され続ける」実力主義の体質に違和感
「パソコンの電源が22時にシャットダウンされますので、深夜残業もありません。その分、土日出勤はせざるを得ませんが、残業代は出ます。ホワイトと言えばホワイトだと思います」(会計コンサルタント/30代前半/男性/正社員/年収650万円)
「厳しく詰めたりする文化はない。しかし一旦、見切られるとひたすら干され続ける。ブラック企業ではないと思うが、ホワイト企業でもない」(代理店営業/20代後半/男性/正社員/年収450万円)
残業代はしっかり支給されても、休日出勤を強いられるしわ寄せに、ホワイトさを感じられないという人もいるようだ。
また希薄ながら実力主義の体質に、ホワイト企業としての違和感を覚える声もあった。
入社1年目はホワイトでも「上司は月22連勤で残業100時間」
「繁忙期には休日出勤もあるがサービス出勤などではないため、その部分についてはホワイト企業と考えられる。ただ繁忙期ではない時期でも、休日出勤している管理職が多く、管理職になるとブラックな印象がある。特定の部署や人に多くの仕事がついてしまっているが、会社として改善しようとする姿勢はない」(研究開発/30代前半/男性/正社員/年収620万円)
「1年目は割とホワイトです。でも上司は月22連勤で残業100時間とかしていました。2年目以降になると、働き方改革に中指を立てていくストロングな企業、という印象があります」(店長/20代前半/男性/正社員/年収300万円)
コンプライアンス的にはホワイト企業と感じていても、一部の従業員に負担がかかる体質にグレーゾーンな感覚を拭えない声があった。その上、課題が明確になっているとくれば、そう感じるのも無理もない。また2年目に脱ホワイト化する会社もあるようだ。
今回の口コミを見る限り、一口にホワイトマークありきでホワイト企業と判断するのは、やはり難しいものがある。転職する際は、口コミを見ながら判断していくのが賢明といえそうだ。