就職採用における予備選考で、学歴を基準にする会社は多そうだ。こうした理由から学歴が必要と感じている人もいる。キャリコネニュース読者からは
「なんだかんだ言って学歴フィルターや、学閥による入職のしやすさなど見えないつながりがある。特に難関校はその傾向が強い。そもそも学歴不要論を言っている人の大半は高学歴だから説得力がない」(東京都/40代男性/東北大学院卒)
といった声が寄せられている。男性は「もともとFラン大卒で周りからバカにされた」と続ける。そこで、東北大学の大学院に入学し、博士号まで取得。現在は、教育・保育職で年収850万円を得ているという。(文:鹿賀大資)
「専門的な職業で海外就職を考えているなら学歴は必須」
京都大学の院卒30代男性は現在、IT・通信系の会社で年収1000万円と絵に描いたようなエリートコースを歩んでいるという。学歴の有無については「大多数の凡人にはあったほうがいい」と辛口だ。「専門的な職業で海外就職を考えているなら学歴は必須」とも綴る。また、自身の学歴については
「不満はない。逆に重過ぎるとすら感じる」
という。ちなみ男性が高学歴だと感じるラインは「大卒以上」とのことだ。
東京大学の院卒30代男性も現在、金融・保険系企業の専門職として、年収1100万円を稼ぐエリートだ。男性の見解は、他と一線を画す。
「学歴が云々というのは、個別事象と全体傾向を一緒に議論している典型例。全体傾向としては、学歴があった方が就職もしやすい。また年収が高くなるのも明らか。だが個別に見れば、そうなってない例はいくらでもあるのが明らか。スポーツ選手などが、いい例だ」
男性は続けて「それを議論しても無駄。ほとんど意味がない」とバッサリ切り捨てる。他方、自身の学歴については「日本全体からすれば学歴は高いし不満はない。程度の問題だが、トップ層の中で見れば低学歴で不満というか後悔はある」という。
そんな男性が高学歴と感じるのは「やはりUCB(カリフォルニア大学バークレー校)をはじめ、ハーバード大やマサチューセッツ工科大、スタンフォード大、オックスブリッジ大あたりが一般的な高学歴では」と話す。もはや日本に敵なし、といったところだろう。
「学歴がないと社会の再生産を担うことは出来ないだろう」
大卒の20代男性は、学歴があれば「オルテガの挙げた大衆を脱することができる」という。オルテガは俗に言う「責任転嫁かつ自分の権利ばかり主張する人」を”大衆”と定義した哲学者だ。そのため、社会的地位や経済的な意味合いでの大衆とは異なる。
そんな男性だが、気になる年収は450万円。IT・通信系の会社に専門職として勤めている。また、自身の学歴には「満足している」といい、学歴が高いと感じるラインは「偏差値55から」だという。理由については
「感覚的にアカデミックな話がまともに通じる。学歴がないと社会の再生産を担うことは出来ないだろう」
と辛辣な意見を述べている。
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