他方、特徴的なのは、就職氷河期世代の間では学歴のアドバンテージが低いことだろう。
「2005年卒早慶でも正社員になれなくてフリーターにとなったり派遣になってた」
「1996年卒、有名国立大を卒業した友人も就職浪人してました」
「いい大学に入って、いい会社に入る」という考えを盲目的に信じる人は現在も多く、その多くは実態を表しているとも言える。だが、当時は受験戦争に勝ち抜いた人でも、就職が容易ではなかった。それどころか、
「氷河期世代の女性は大卒のほうが煙たがられて就職率低かった」
と給与の高い大卒が積極的に採用されなかったケースもあったようだ。一方で
「91年高卒です。1人につき5社選べました。結局大手の事務職に合格し、社内結婚して専業主婦です。進学して大学行った友達は正社員になれず苦労していました」
大学に進学しなかったことで、無事に就職できたという人までいる。中には「95年卒だけど、大学行かないで高卒で就職した方がいいとこ勤められたんじゃないかと思う」と当時の選択を悔やむ人もいた。
就職氷河期世代は踏み台にされた?
新型コロナウィルスの影響により、今後も就職難が訪れる可能性は十分考えられる。しかし、過去の教訓から、当時のように”自己責任論”で当事者を責める風潮は弱まり、就職難に対する理解も高まりそうだとする人が多くみられた。
「コロナ世代は何だかんだ社会の理解を得て、そこまで酷い事にならない気がする」
「結局はバブル崩壊後の氷河期世代がモデルケースという名の踏み台にされてるんだなと感じる」
ただ、それはそれで悔しさを覚える人もいるようで「現在の若者には苦労してほしくないけど、社会からの風当たりが優しいのはズルい」と葛藤する声もみられた。
就職氷河期世代に限らず、自分の仕事に不満を持っている人も多いだろう。誰もが自分らしく働ける環境がいち早く実現することを願いたい。