テレワークと出社という2つのワークスタイルを比較した際、顕著な違いとして挙げられるのが“通勤の有無”だ。多くのビジネスマンにとって「移動にかかる時間」は、相当なネックになっているらしい。東京都の20代女性はキャリコネニュースに、
「通勤時間が無駄だなとは思うが、ほどよく出社したほうが、仕事にメリハリがついて良い」(流通・小売系)
といった声を寄せている。ほかにも女性のように、通常出社に戻ったことでテレワークより快適さを感じる人は少なくない。ITエンジニアをする東京都の40代男性もその一人だ。(文:鹿賀大資)
「コミュニケーションは対面のほうが情報量も多く効率的」
男性は「仕事は一人ではできない」といい、「コミュニケーションは明らかに対面の方が情報量も多く効率的」だという。また、
「色んな人と関わり合って仕事をする人ほど、テレワーク業務に苦労している。私の会社では一人で進められる仕事がほとんどない」
と綴っている。
メーカー系企業で派遣社員として働く茨城県の30代女性は、テレワークで築けた信頼関係が出社に戻った現在に生かされているという。
「よく『リモートだとコミュニケーションが減る』と言われているが、周りの目がない分、事務的な電話以外にちょっとした無駄話もできていた。そのおかげでテレワーク前より通常出社に戻った今の方が、社員との距離は縮まったと思う」
そうはいっても、通常出社に戻ったことで不満に感じてようになったこともあるようだ。女性は、
「今まで気にしていなかったが、人によって通勤時間に差が出てしまうのは不公平。通勤時間も会社にかける時間なので、勤務中とみなしてほしい」
と訴えている。
満員電車で感染する恐怖「年内は在宅勤務を続けるべき」
東京都の20代女性も「通勤時間ほど無駄なものはありません」と憤る。
「電車はもう、すっかりコロナ前に逆戻りしています。満員電車で感染するかもしれないと思うと怖いです。これは自社にも言えることですが、他の多くの会社で在宅勤務が可能なら、年内いっぱいは続けたほうがいいと思います」
女性はそれとは別に、現在の職場状況についての不満も明かす。
「在宅ワークに移行した際、会社はそれでも十分に仕事が回ると理解したはずなのに、なぜか出社させています。理解不能です。しかも出社させておきながら、オフィスでの3密対策は特にありません。経営陣は社員の命をなんだと思っているのでしょうか」
マスコミ系企業に勤務する東京都の50代男性は、「社員が出勤しないと管理できない」と言う社長について書いている。その発言は、緊急事態宣言の解除発令後に通常出社へと戻った際に出たものだった。
そんな社長だが「自粛期間中はテレワークも容認していた」という。会社が通常出社に戻った時期は、新型コロナウイルスの新規感染者数はピーク時より下降気味と報じられていた。しかし社長はそれを引き合いに出し、
「1千万人いる東京都民の内、100人程度だから大したことはない」
と言っていたという。男性は「社員の命をどう考えているのかわからない」と不信感を募らせている。ちなみに男性曰く「出勤であろうが在宅であろうが、会社の業績には大差ない」とのことだ。
※キャリコネニュースでは引き続き「テレワークから通常出社に戻って思うこと」や「お盆休み、ありますか?」に関するアンケートを募集しています。