ITアーキテクトという職種がどういう仕事で、どういうスキルが求められるのか、などについて、いろんな資料や記事をまとめて分かりやすく解説しているよ。

ITアーキテクトは、IPA（独立行政法人情報処理推進機構）がいま不足している「DX推進人材」としてあげた6つの職種のひとつだけど、コンサルタントとプロジェクトマネージャーの間にある仕事として明確に切り分けられてなくて、エンジニアの間でもあまり認知度が高くないみたいなんだよね。

経産省の定義だと「ビジネス及びIT上の課題を分析し、ソリューションを構成する情報システム化要件として再構成する」云々と書かれているけど、動画ではシンプルに“企業の経営戦略に合わせたシステムの「設計図」を作り、運用しやすい最適なシステム基盤を設計する人”と説明している。クライアント側、エンジニア側で合意が取れるシステムの全体像を、ゼロベースで描いていく仕事だよ。

仕事の難易度は高くて上級職だけど、基本的にはマネジメントではなく技術志向の仕事になる。でも、クライアントが要件をきちんと整理して持っていることは稀だし、要件の聞き出し方はクライアントのITリテラシーにも左右されるので、ヒューマンスキルは意外と重要になりそうだ。

「インフラ（基盤）」「アプリケーション」、それに「インターフェース・データ連携」の3つの領域をカバーして、システムの全体像を描いていく。

まず、インフラストラクチャ・アーキテクチャとして、セキュリティやネットワーク、データベースの設計を行う。そして、アプリケーション・アーキテクチャとして、画面や帳票、ビジネスロジックなどの設計を行う。また、インテグレーション・アーキテクチャとして、企業内・企業間連携や、フレームワークなどの実装方式を設計する。

動画では、すべての領域に詳しくなくても、どこかの領域で経験を積んで、他の領域は知っている程度でも大丈夫ということだった。でもグランドデザインを描くわけだから、知識として知っていることは必要で、自分がどれを経験してどれが得意か、というところでその人のタイプが出てくるみたいだよ。

クライアントなど要求者からビジネスの内容をヒアリングし、それを基にシステム全体像を描く。それを要求者に確認して修正し、それを繰り返して要件の合意を形成する。それを基に設計側へ基本設計方針を伝達し、要求が設計にきちんと盛り込まれているかレビューする。こういう仕事になるみたいだね。

大きなシステムになると、この工程だけで何ヶ月も掛かることもあるらしい。ときには、予算に合わないシステムに対する過度な期待を抑え込むことも必要だ。ここでしっかり握っておかないと、プロジェクトは炎上待ったなしになってしまう。

グランドデザインのアウトプットのイメージは、動画の中で紹介されているので、それを見ると理解しやすい。また、ひとりで全部やらなくて、他のエンジニアと知恵を出し合うことも大事なので、そういう人脈も大事だということだよ。

後半の動画では、ITアーキテクトに求められるスキルや行動様式、資格を取った方がいいか、どういうキャリアパスが考えられるか、報酬の見込みなどについて解説されているので、実際にITアーキテクトを目指したい人には参考になると思うよ。