日本のSI業界が変わらなければユーザー企業と共倒れする | NEXT DX LEADER

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日本のSI業界が変わらなければユーザー企業と共倒れする

今こそ変革の時!? DX時代に求められるITベンダー より

この動画で学べること

  • ITベンダーの問題点として指摘されている事柄が分かる。
  • 問題点を踏まえたITベンダーの今後の目指すべき方向性が分かる。
  • 今後のユーザー企業とITベンダーの関係について示唆が得られる。

こんな人におすすめ!

  • このままで大丈夫なのかなと不安を感じているSI業界の若手社員。
  • SIerからの提案内容に不満を感じている事業会社の発注担当。
  • どういう体制でプロジェクトを進めていくべきか悩むDX担当。

生産性向上の妨げになる「人月商売」

DXを学びたい男性
この動画ではどんなことが学べるの?
DXに詳しいロボット
これからのDX時代に、ITベンダーが何を求められるのか考察しているよ。その前提として、これまでのベンダー、特にSIerの現状と将来に対して厳しい分析をしていて、発注者としても参考になることが多かった。

具体的には、経産省が公開している「DXレポート2」(2020年12月公開、追補版は21年10月公開)をベースに、ITベンダーの問題点やあり方について書かれている部分を解説し、さらに投稿者のひぐま氏の提案を付け加えているよ。
DXを学びたい男性
現在の問題点って、どんなところが指摘されているの?
DXに詳しいロボット
最初に取り上げられた問題は、労働集約型の「人月商売」だ。SIerはクライアントから「単価×何人月」という形で対価をもらう契約になっている。単価はほぼ相場が決まっているから、労働時間を伸ばすほど売上利益が増える構造になっている。

逆に、労働時間を短くすると利益が減ってしまうので、生産性向上に対するインセンティブが働かなくなるし、業務の標準化も進まない。ひぐま氏は、これを是正しないとSI業界だけでなく、SIに発注している日本企業も共倒れしてしまうと危惧している。

「ITパートナー」か、「IT・業務コンサル」か

DXを学びたい男性
他にはどんな問題があるの?
DXに詳しいロボット
一括請負からの多重下請け構造の問題もある。いわゆるITゼネコンと言われる大手SIerは、一次請けとしてクライアントから仕事を一括で請け負ったら、自分たちでは手を動かさずに二次請け以降に回し、自分たちは「管理」しかしなくなる。

そうすると、一次請けは技術的なことが分からず、二次請けは一次請けから言われたこと以外は分からないしやらない、やれないという状況になる。そうすると、クライアントに対して「成果の上がるシステム開発」の提案ができる人がいなくなってしまう。
DXを学びたい男性
でも、現状を変えなきゃまずいと考えている人もいるんでしょう?
DXに詳しいロボット
SIerとしては「人月商売」は楽だし安全なので、変えたくないのかもしれない。でも、ユーザー企業の求めている価値を提供できない企業は、いずれ選択されなくなり淘汰されていくわけだから、いま変わらないと業界全体が低迷してしまう。

「DXレポート2」でも、これからのベンダー企業の目指すべき方向性を示している。詳しくは動画を見てほしいけど、ひぐま氏は既存の強みを活かす道について、ユーザー企業との距離の近さを活かして変革を共に推進する「ITパートナー」か、DXに必要な技術やノウハウを提供する「IT・業務コンサル」のいずれかではないかと言っている。

要するに、クライアントが戦略的にITを使い、どうやったら売り上げを伸ばせるか、あるいはコスト削減して利益を高めていくか、といったところを描けるITパートナーを求めていくんじゃないかなということ。この指摘は、発注側のマネジメントのあり方や、内製化検討のヒントにもなる指摘だと思ったよ。

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考察記事執筆:NDX編集部

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