電話DXの会社から「AIプロダクトの会社」へ IVRy片岡慎也COOが新しい時代を共に創る仲間募集 | NEXT DX LEADER

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電話DXの会社から「AIプロダクトの会社」へ IVRy片岡慎也COOが新しい時代を共に創る仲間募集

ニュース篇「AIが人のように電話対応」/アイブリーweb_CM15秒 より

IVRyの東京オフィス

IVRyの東京オフィス

2019年の設立からわずか5年で「誰でも・安価に・簡単に使える」クラウド型電話自動応答(IVR)サービスのトップ企業へと成長したIVRy(アイブリー)。最短5分で利用を開始できる手軽さや低価格、柔軟なカスタマイズ性を強みに、中小企業の電話業務効率化を支援してきました。近年では、大手有名企業への導入も増えています。

AIを活用した機能も開発・提供しており、2025年には通話データからAIが自動でQ&Aを生成する機能などをリリースしています。そんな同社ではどのような事業を強化し、どのような人材のキャリア採用に注力しているのか。同社COOの片岡慎也さんに、事業戦略と人材採用への取り組みについて伺いました。(文・構成:キャリコネニュース編集部)

サービス提供開始5年で「電話DXクラウド導入シェア」No.1に急成長

IVRy COO 片岡慎也:米オハイオ州立大卒。ロジスティクスコンサルタントとしてキャリアをスタートした後、アスクルでBtoC向けEC事業の立ち上げやプロダクトマネジメントを担当。グリーやメルカリでは米国進出事業の立ち上げ、サービス開発、組織づくり、経営など幅広い領域に携わる。2021年よりトラボックス株式会社の代表取締役社長を務め、物流業界向けSaaS事業を推進。2024年4月より現職。

IVRy COO(最高執行責任者) 片岡慎也:米オハイオ州立大卒。ロジスティクスコンサルタントとしてキャリアをスタートした後、アスクルでBtoC向けEC事業の立ち上げやプロダクトマネジメントを担当。グリーやメルカリでは米国進出事業の立ち上げ、サービス開発、組織づくり、経営など幅広い領域に携わる。2021年よりトラボックス株式会社の代表取締役社長を務め、物流業界向けSaaS事業を推進。2024年4月より現職。

――御社は現在どのような事業を行っていますか。

当社は対話型音声AI SaaS「アイブリー」を提供しています。月額2,980円から利用できる手軽さと高い機能性で、累計アカウント数35,000件、累計着信数5,000万件を突破し、これまでに約417万時間(476年分相当)の業務削減を実現しました。電話DXクラウド導入シェアでは現在No.1シェアを獲得しています(日本マーケティングリサーチ機構「2024年2月期_クラウド型IVRシステムにおける市場調査」による)。

主力サービスの「アイブリー」は、電話着信時にお客様が独自に設定した音声ガイダンスやAIが応答し、発信者のボタン操作や音声入力に応じて案内や手続きを自動化して、現場の業務効率化や経営サポートを行います。

SMSの自動送信、通話内容の録音や自動文字起こし、AIによる通話要約、多言語対応などの機能を備えており、ユーザー自身が分岐設定をノーコードでカスタマイズできる点が特長です。中小企業のお客様にもご利用いただきやすいサービスですが、近年は東横インやロイヤルホスト、一蘭といった大手企業でもご利用いただいております。

また、従来のFAXをクラウド化した「IVRy AI FAX」も展開しています。FAXはいまも製造業や物流業、建設業などの第一線で使われていますが、PCやスマホでFAXの送受信ができるだけでなく、受信したFAX内容をAIが自動テキスト化し、手書き書類や発注書もデータ化し、転記作業の削減やリモートワーク対応を進めることが可能になります。

さらに、「IVRyコールトラッキング」では、広告効果の可視化や最適化を支援しており、AIが通話データを分析して顧客対応や業務成果を可視化する「AI解析ダッシュボード」や、飲食店への電話予約・変更・キャンセルをAIが24時間自動対応するサービスなども提供しています。

主力サービス「アイブリー」の基本機能と自動化される業務

主力サービス「アイブリー」の基本機能と自動化される業務

――AIの活用がかなり進んでいるのですね

2025年4月にリリースした「音声認識Q&A」機能は、顧客との通話データをAIが解析し、事業者ごとに最適なFAQを自動生成するものです。既存のQAで対応できない問い合わせにもAIが最適な回答を提案し、利用が進むほどAIが学習して自動応答できる範囲が拡大します。

当社の売上高の大部分は「電話課題の解決」によるものですが、人の代わりに自動応答をしたり、通話内容を要約してメールでお送りしたりといった機能を通じて、お客様が「電話を使っているつもり」でも実はAIを使っているという状況を実現しており、当社は本質的に「AIの会社」であると考えています。

当社は「最高の技術をすべての人と企業に届ける」をミッションに掲げていますが、この最高の技術とは現在はAIのことで、それをすべての人と企業に提供できるのは、「電話」というどこにでもあるコモディティなインフラを活用しているからです。

一方で、採用活動の中では特に若手層やIT業界志望者の一部から「いまさら電話の会社?」「デジタル化が進んだ今、時代遅れでは?」という誤解を受けることがあります。AIカンパニーとしての認知を高めることが、採用広報上の課題です。

有名企業の元CTOなど優秀な人材がジョイン

――現在どのようなキャリア採用に注力していますか。

現在およそ50のポジションで幅広い求人を行っており、特にAIエンジニアの採用を積極的に行っています。当社は日本でもトップクラスの電話の音声データを保有しており、お客様の許可の範囲内でデータを活用してより良いサービスを開発・販売していますが、この開発に携わっていただける方を求めています。

なお、現在活躍されているエンジニアは、事業会社出身の方が多い傾向にあります。例えば、元クックパッド執行役CTOの成田一生さんや、元カケハシ取締役CTOの海老原 智さんといった、SaaSやtoC向けの事業での経験を持つ優秀な方がジョインしてくれており、さらにそこからのリファラル採用で入社している方がたくさんいます。

IVRyのメンバーに関するデータ。主な出身企業も目を引く。

IVRyのメンバーに関するデータ。主な出身企業も目を引く。

――ほかに注力しているポジションはありますか。

営業職の採用も強化しています。中小企業のお客様の場合は「電話対応の効率化」という課題が明確で、価格の手軽さもあって比較的導入に至りやすいです。現在はザ・モデル型の分業体制でお客様にご案内する体制を構築していますが、今後はお客様自身でオンボーディングを完了できる「テックタッチ」の仕組みづくりを進めており、AIを活用した効率化が重要なテーマです。

また、近年は大手企業への提案が増えていますが、電話対応の現場と決裁権者との間に距離があり、「電話で得られる情報を経営課題にどう活用するか」という視点での説明が必要になります。お客様が抱えるコミュニケーション全般の課題にアプローチする必要があり、前職でソリューション提案やコンサルティングをされていた方、SIerでシステムの販売をされていたような方を求めています。

例えば、当社の「AI解析ダッシュボード」「IVRy Analytics」を活用することで、月何百件、何千件の電話のうち、何割がクレームで、何割が申し込みか、それが何曜日に集中しているか、といった傾向をデータ分析でお伝えすることが可能です。これらの情報は電話対応業務の効率化にとどまらず、経営判断にも活用されています。

AI時代の「変革のリーダー」を求む

――御社の従業員数はここ数年で急増していますが、採用方針には変更ありませんか。

確かに、2024年初頭には約60人だった従業員数は、2024年末には180人に拡大し、現在は220人を超える規模の拡大しました。しかし、今後AIを中心とした事業展開や会社運営を進めるにあたり、採用数以上に、社員一人ひとりが持つケイパビリティの弊社における希少性や、それが会社にもたらすインパクトを重視していきたいと考えています。

現在は時代の大きな変化点にあり、1995年ころのインターネットの普及、2010年ころのスマートフォンの登場に続く大きな波が「AI」です。この変化はインターネット以上のインパクトがあるともいわれており、数十年に一度のチャンスになりうると考えています。

この変化に社員全員が対応していかないと、会社としても事業としても生き残れないという強い危機感を持っています。AIネイティブの若い方々が現れたとき、今までと同じような仕事の仕方をしていると、効率で圧倒的に負けてしまう可能性があります。

会社は課題に直面すると採用で解決したくなるものですが、採用に逃げたくないという思いもあります。まず既存メンバーの業務工夫で解決できないか、次に既存メンバーの成長やチーム異動で解決できないかを検討し、最後に採用という順序で考えています。

会社として生まれ変わる必要があるという強い危機感のもと、事業だけでなく働き方そのものもAIへとシフトしていくことで、「AIプロダクトの会社」として自らがその姿を体現し、日本企業のAI化をリードしていきたいと考えています。

IVRyが掲げる「3つのValue」

IVRyが掲げる「3つのValue」

――厳選採用で求める人物像はありますか。

変化に強い方であることが第一前提です。そして当社の「Beyond the Wall」(想像を超え、あらゆる壁を超えよう)、「Keep on Groovin’」(多様を受け入れ、協奏し続けよう)、「Grab and Grit」(機会を掴んで、やり遂げよう)という3つのValueにマッチし、かつ当社が持っていないが将来必要なケイパビリティを持っている方であればオファーしています。

したがって、「カルチャーフィット」は最低条件ですが、さらに重要なのは「カルチャーアド」ができる方です。その方が入ることで当社の何かが変わる、今ある当社の状態に馴染むだけでなく、当社をどう変革してくれるか、変化のリーダーとなってくれるかを重視しています。

「人が最も成長する企業」でありたい

――重視している採用方法はありますか。

社員の紹介によるリファラル採用です。過去に一緒に働いて「この人は素敵だな、また一緒に働きたいな」と感じた人を誘う社員紹介に力を入れています。現在の規模の会社に入る魅力のひとつは、一緒に働く人を自分で選べることではないでしょうか。一緒に働きたい人に声を掛け、組織づくりに貢献できるのも面白いところだと思っています。

ただし、自分自身が会社を好きにならないと、友人や知人に会社を紹介することなんてしないので、一人ひとりに当社で働くことに満足してもらう必要があります。当社の野望として「人が最も成長する企業」でありたいと考えており、チャレンジする機会を一人ひとりにしっかりと与える環境を準備していきます。当社で働くことで成長を実現し、それによって「この会社いいな」と思って人を紹介してくれて、良い人が良い人を呼んでくる。そんな好循環を作れるといいなと考えています。

東京オフィスでの全社ミーティングの様子

東京オフィスでの全社ミーティングの様子

――キャリア採用で入社した人に対する活躍支援の取り組みは行っていますか。

中途採用の方には、しっかりとしたオンボーディングを提供しています。会社の歴史、バリューの話、人事制度、事業、マーケティングなどの座学の後、各部署でのOJTという形でのオンボーディングも行っています。期間としては長くありませんが、かなり濃い内容を提供しており、実際に受けていただいた方の満足度も非常に高いです。

また、社内では自発的な勉強会も頻繁に行われています。特に、AIの活用について詳しい社員が全社に向けて研修を開催するなど、学び合う機会がたくさんあります。誰かがみんなのために動く文化があるのは、当社のいいところです。

バリューのひとつである「Keep on Groovin’」は、新しい方々の成功を自分の成功のように祝いたいという文化を表しています。新入社員をサポートして協力体制のもとでやっていく、一緒の曲をみんなで作りましょう、という思いで取り組んでいます。

「Work is Fun」を体現し、長く働いてもらえる会社に

――入社後のキャリア形成支援について取り組んでいることはありますか。

本人の志向性や「今後こうなりたい」という意見をしっかりと聞いたうえで、プロジェクトアサインを行っています。100%希望通りとはいかない場合もありますが、個人のWill(意思)と会社のMust(必要性)のバランスを見たうえで調整しています。

特にBtoB(法人向け)事業は、BtoC(個人向け)事業とは違い、時に数億円にもなる取引を特定の企業と長期的に行う「線」のビジネスです。長期的なお付き合いを通して、課題に対する新たなソリューションを開発するなど提供価値も広がっていきます。したがって、この会社で長く働いてもらうことは、会社にとってもその方にとっても重要だと考えています。

IVRyのビジョンとミッション

IVRyのビジョンとミッション

当社は「Making “Work is Fun” a reality.」、つまり「“働くことは、楽しい”を常識に変えていく」という言葉をビジョンに掲げています。お客様に「Work is Fun」を届けるだけでなく、提供するプロセスとして私たちも「Work is Fun」を体現することで、会社に長く貢献していただけるよう取り組みを設計しています。社会に変革をもたらしている当社で、多くの優れた人材とともに「AI時代」の流れに適応し、挑戦していただける方をお待ちしています。

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考察記事執筆:NDX編集部

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