「リモート営業の極意 外資系トップセールスが教える"会わなくてもバンバン売る"技術」という本の著者、財津優さんの話が聞けるよ。動画だけでは本の内容をほとんどカバーできていないと思うけど、何かポイントは受け取れるのではないかと思う。

財津さんは大手外資系企業のトップ営業として、「世界No.1営業マンが教える やってはいけない51のこと」という本も出している人だ。コロナ前からリモート営業の可能性を感じ、専門のコンサル会社も作っていたというから、単に流行りに乗った話ではなく、今後の営業のやり方が大きく変わるという考え方に基づいているようだ。

財津さんも言っていてハッとしたけど、モニター越しに話ができる状態になってしまえば、「リアルで喫茶店でしゃべってても、そんなに変わらないんじゃないかな、という感覚になる」というのは、確かにそうだよね。ということは、大事なのは、いかにそういう状態までどうやって持っていくか、ということだ。

「リアルで対面しなきゃ営業じゃない」と言ってリモート営業を避けているのは、営業本人の問題でしかないということだよね。財津さんも、リモート営業に取り組むうえで最初に問題となるのは「（本人の）マインド」と言っていたよ。

接待などで長い時間を共有しないとクロージングできないとか、そう思い込んでいるのは本人だけで、お客様は関係なく、本人が乗り越えないといけない場合が多いのかもしれない。

この動画では「ファーストコンタクトでアポイントメントを取るコツ」として、あらかじめダイレクトメールやチラシを入れておいて、その後で電話でアポを取ると言っていたよ。

拍子抜けするくらい原始的なやり方だけど、例えば「ダイレクトメールを読んでいただけましたか？」と問いかけて、読んでいるという答えが返ってくれば「それについて詳しくお話しさせてください」と言うし、読んでいないと言われたら「それは失礼しました」と続ければいいというんだね。

何かとっかかりとなるネタをリアルで送っておくと、いきなり丸腰で電話するよりやりやすい、という手法なんだけど、要するに「ゴールまでどういうストーリーで進めるか」ということを、あらかじめ自分の頭の中で組み立てて準備をすることが大事ということだ。

「アンケートを取らせていただいているのですが」とか「簡単な質問にちょっとだけお答えいただけませんか」といって、相手の抵抗感を減らしつつ、その答えによってビジネスにつなげるストーリーを展開する方法もあるみたいだよ。

同じことをきっちりやるだけだよね。ただ、リアルの営業は「ちょっと近くまで寄りました」とか言って雑談して帰る、みたいなことがあったけど、リモート営業では、わざわざ時間を合わせてモニターに向かって雑談だけで済ます、ということはなかなかできない。

なので、今回の1時間のリモート営業では、どんな手順で話を進め、どういう話で終わるのか、というストーリーとタイムマネジメントがより大事になるという。

ちなみに財津さんは、もともと半導体の技術者で、自分では営業に向かないと思っていたらしいよ。でも、自分なりのストーリーを妄想する「根暗」な性格は、実は営業に向いていたと言っている。実際に動画を見て話し方を聞くと、営業に必要な親しみやすさを感じるのではないだろうか。