九州地場のホームセンター「GooDay」が実現した“人のDX” | NEXT DX LEADER

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九州地場のホームセンター「GooDay」が実現した“人のDX”

【2022日本DX大賞受賞】GooDay X ~地方企業が挑んだ「人」のDX~ より

この動画で学べること

  • 地方のホームセンターがシンプルなITサービスを使って「DX」を実現した事例が分かる。
  • できるだけ費用をかけずに成果を上げる「小売業のDX」の成功例が分かる。
  • DXの目的は「課題解決」であり、社員の行動変革を伴う「人のDX」であることが分かる。

こんな人におすすめ!

  • DXの取り組みを求められている小売業の情報システム部門担当者。
  • 地方企業はDXなど取り組む必要がない、と楽観的に考えているオーナー社長。
  • 「人のDX」という言葉にあまりピンとこない経営者。

伸び悩みの会社を変え、5年で売上26%増

DXを学びたい男性
この動画ではどんなことが学べるの?
DXに詳しいロボット
九州北部を中心に展開するホームセンターの「GooDay(グッデイ)」におけるDXの取り組みをまとめた動画だよ。地方のホームセンターの小さな事例かと思えば、この5年間で売上高を26%もアップさせてるし、自社の成功事例を基に他社のDX支援する専門会社も設立しているし、非常に本格的だ。

総務省やデジタル庁などが後援する「2022日本DX大賞受賞」の大規模法人部門で大賞を受賞している。中小企業も含めて多くの人、特に小売業で働く人たちにはよく見てほしい。
DXを学びたい男性
どういう経緯でDXに取り組もうと思ったの?
DXに詳しいロボット
現社長の柳瀬隆志さんは東京大学を卒業後、三井物産で勤務し、2008年に家業のグッデイに入社したけど、当時会社でインターネットにつながっている人は誰もいなかったそうだ。メールも使われておらず、最初の仕事は自社のドメインを取得することだった。

会社のウェブサイトもない、会議資料は紙ベース、IT予算すらない状態で、現場の勘や経験則に頼った経営。当然業績は伸び悩んでいて、何より「変化を嫌うカルチャー」が蔓延していたという。そんな中、柳瀬社長は2015年からDXに取り組むことにした。

まずはGoogle Workspaceを導入して、資料をペーパーレス化。カレンダーの共有のほか、会議はMeetでオンラインへ、社内コミュニケーションはメールからChatへ、災害報告は電話やFAXからスプレッドシートへと変えていった。

「できるはず」という前向きなマインドが最大の成果

DXを学びたい男性
そんなにたくさん一気に変えて、すぐに浸透していったのかな?
DXに詳しいロボット
ITツールの利用が「無駄をなくす」ことが分かると、すぐに浸透していったというよ。次に取り組んだのは「データの活用」で、それまではデータを抽出してダウンロードして、各自エクセルで分析してください、といったしくみだった。

それを、クラウド上のデータウェアハウスにデータを格納し、BIツールのtableau(タブロー)で簡単に利活用できるようにした。人口動静や競合店情報などをまとめた店舗カルテ、店売上のリアルタイム把握、季節商品の売上予測などに活用を広げていった。その結果が売上高26%などの成果に表れていったというわけだ。

柳瀬社長は成功のコツについて「DXの目的はあくまでも課題解決であり、そのためには安価で手の付けやすいところから始めることが鍵」といい、さらにはできるだけ「システムをつくらない。プログラミングをしない」ことも大事だという。
DXを学びたい男性
へえ。普通は「どんなシステムを作ろうか?」から始まるのに。
DXに詳しいロボット
システムを作るんじゃなくて、データ分析基盤を作り、課題を見つけ、どうアクションをすれば解決するのかをみんなで議論していくことが大事。「実際の現場の社員の行動が変わらないと、現実の問題は何も解決していません」という柳瀬社長の指摘は正しい。

データドリブンで物事を考え、互いにコミュニケーションし、「チャレンジ精神」を持ったマインドへと変革する。これがGooDayが目指した「人のDX」ということだけど、理想的な進め方だと思う。
DXを学びたい男性
数字を基にコミュニケーションを取るというと、何か無味乾燥なイメージもあるけど。
DXに詳しいロボット
実際はそうじゃないみたい。店長さんは「内容を表現しやすい、伝達しやすい、理解しやすい、行動が早くなる」というメリットがあると言っているよ。社員からも「“できない”をベースに限界を決めて考えてたのが、“できるはずだよね”っていう前向きなマインドに変わっていったのが大きい」という声が上がっていた。

社内教育も大事という話の中で「グッデイ・データ・アカデミー(GooDay Data Academy)」という勉強会を運営したという話も出てきた。ぜひ動画で当事者たちの肉声を聞いてほしいな。

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YouTube:【2022日本DX大賞受賞】GooDay X ~地方企業が挑んだ「人」のDX~

考察記事執筆:NDX編集部

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