数々のプロジェクトを経験してきた投稿者のイトーダ氏が、大手企業で人事部長を長年務めた経験のあるキャリアコンサルタント会社代表の竹内上人氏に、人事視点でプロジェクトマネジャーがどう見えているか尋ねている。

質問項目は大きく分けて「プロジェクトマネジャーは企業にとってどのように重要なのか」「人事から見て“この人は優秀だな”と思うプロジェクトマネジャーの特徴」「プロジェクトマネジメント力はキャリアパスやキャリアアップにどう有効か」の3つだよ。

この3つの質問への答えを合わせると「出世するプロジェクトマネジャーの特徴」が浮かび上がってくるかもしれない。ただ、元人事の方の考え方を否定するわけじゃないけど、日本企業でDXなどのプロジェクトマネジャーをするのって大変すぎる仕事だな、という感想を抱いたのも事実かな。

だって、あまりにも日本的なんだもん。人事から見て“この人は優秀だな”と思うプロジェクトマネジャーの特徴であげられたのは「謙虚であること」と「ビジョンを掲げて人を巻き込むこと」、それに「忍耐」の3つだったんだよ。

竹内氏は、プロジェクトというものはメンバーだけでは何もできず、自分たちは主人公になってはいけない。現場の共感を得て、現場に動いてもらうことで初めて物事が動くと言っている。現場が強すぎる日本企業の現実はそうなんだろうけど…。

でも、それはミドルレベルのプロジェクトマネジャーに「こうしましょう」と言わせるから、縦割り組織の現場の論理を優先して従わない人が出るのであって、トップダウンで有無を言わせずやる方法だってあるんじゃないのかなと思うんだよね。

プロジェクトマネジャーに火中の栗を拾いに行かせて、叩かれている姿を周りが見て「あんなに苦労しているんだったら自分たちも協力してあげないと」という雰囲気を作っていくものだ、とか言われてもねえ。それって、トップマネジメントの機能不全じゃないかと。そういう姿を見ないと信用しない人たちも陰湿だよ。いくら「人間って感情の生き物ですから」と言われても、そんな仕事はイヤだな。

もし日本人に「変化が嫌い」という特性があるなら、それを踏まえてトップはプロジェクトマネジャーをよほど強力にサポートしてあげるべきだ。それなのに「自らズタボロになって汗をかいて苦労している姿を見せていかないと」は悲しすぎる。そういう理不尽を経ないと出世できないなら、マネジャーになりたくない若い人が増えてもしょうがない。

それはある。フォローすると、プロジェクトというのは組織横断的な仕事だから、ビジョンを掲げて人を巻き込むことは確かに不可欠だ。それに、苦労した経験がその人が持っている力量を語るものになり、その後の異動や転職のときに活きてくる、という指摘も、そうだなと納得した。転職の採用面接で「苦労した経験はありますか？」と聞かれたときに、答えるネタがないのは寂しいからね。

引っかかる部分はあるけど、ベテランの実務家が実態を踏まえて解説してくれる話ってすごく貴重だよね。日本企業でプロジェクトマネジメントをしようと思えば、日本の組織の特質を理解する必要があるわけだから、一度は見ておく価値がある動画だとおすすめできるよ。