この動画で学べること
- 世界最大の小売業である米ウォルマートのDXについて要点を解説。
- DXを成功させたウォルマートがいかに成長を果たしたかを紹介。
- ポイントは競合を徹底的に分析し自社の資産を「再定義」したところ。
こんな人におすすめ!
- 古い伝統的な企業がどうやってDXを実現したのか知りたい人。
- 小売業における先進的なDXの事例を知りたい人。
- リアルとデジタルの組み合わせによるDX施策に興味のある人。
「時代遅れの世界一企業」がDXで変革を果たした
この動画ではどんなことが学べるの?
世界最大の小売業である米ウォルマートが「時代遅れの世界一企業」と呼ばれながら、DXによっていかに変革を成し遂げたか、について紹介しているよ。基本的に立教大学の田中道昭特任教授の『世界最先端8社の大戦略』(日経BP社刊)などを参考にし、エッセンスをスライドにまとめている。
投稿者のじまじゅん氏は、「時代遅れの世界一企業」ウォルマートのDXの成功は、「日本にとって最も参考になる企業のひとつ」と言っているところが興味深い。過去の成功体験を捨てきれず、変化できない日本企業が多いことから考えると、確かにそうだなと。
投稿者のじまじゅん氏は、「時代遅れの世界一企業」ウォルマートのDXの成功は、「日本にとって最も参考になる企業のひとつ」と言っているところが興味深い。過去の成功体験を捨てきれず、変化できない日本企業が多いことから考えると、確かにそうだなと。
そもそもウォルマートって、どんな企業なの?
売上高60兆円を誇る超大企業だよ。ちなみに、日本最大のイオンが8.6兆円、アマゾンでさえ42兆円だ。ウォルマートの店舗網は10マイル(約16キロ)圏内に90%の米国人をカバーしているし、90%の米国人はウォルマートで買い物をした経験があるという。
ただ、ここ最近ではアマゾンなどのECなどに押されて成長が鈍くなっていた。それがDXのおかげで、コロナ禍の2020年に売上高が10%増、EC売上は過去3年間で4倍に成長、デジタルとリアル店舗を組み合わせた配送・ピックアップサービスも3倍に成長した。
ただ、ここ最近ではアマゾンなどのECなどに押されて成長が鈍くなっていた。それがDXのおかげで、コロナ禍の2020年に売上高が10%増、EC売上は過去3年間で4倍に成長、デジタルとリアル店舗を組み合わせた配送・ピックアップサービスも3倍に成長した。
最初から店舗を持たないアマゾンとは同じ戦略を採れないけど、逆に巨大な店舗を有効に活用すればアマゾンにはできない戦略を採ることもできるわけだね。
広大なアメリカの人口の75%に翌日配送を実現しているし、スマホアプリで注文して店舗で受け取るBOPIS(Buy Online Pick-up In Store)なんてサービスもやっている。また「インホームデリバリー」といって、玄関まで配送するアマゾンに対抗して、家の中まで入って冷蔵庫に配送するサービスもやっているという。
勝因は「買収したベンチャーに自社のDXを任せたこと」
ただ、それだけだとあまりDX色が濃くない気がするけど。
スマホアプリも大きく変えた。家電製品向け「Walmart app」と食品購入用の「Walmart grocery app」を統合し、決済機能を備えた「Walmart pay」も搭載。アプリ上で処方箋を受け取る仕組みを作り、ECとヘルス&ウェルネス、金融サービスを強化している。
あとは広告ね。個人情報の無許諾利用の問題で、ウェブのキャッシュ利用の規制が強化されているけど、ウォルマートはアプリと店舗で1億5千万人のデータを持っているから、ユーザーの許諾を取ってマーケティングに活かすことができる。それも日々の買い物や健康情報、金融状況をつかんでいるわけだから、広告プラットフォームとしては非常に強力なものになるよ。
あとは広告ね。個人情報の無許諾利用の問題で、ウェブのキャッシュ利用の規制が強化されているけど、ウォルマートはアプリと店舗で1億5千万人のデータを持っているから、ユーザーの許諾を取ってマーケティングに活かすことができる。それも日々の買い物や健康情報、金融状況をつかんでいるわけだから、広告プラットフォームとしては非常に強力なものになるよ。
なるほど。巨大な店舗網を背景に、日用品を大量に安く仕入れて安く売るというこれまでのビジネスモデルから、ずいぶん形を変えているといえるかもしれない。
カルチャーの変革については動画を見て欲しいけど、ビジネスモデルを見直すに当たり、競合のアマゾンを徹底的にベンチマークしたという。2017年には社名をWalmart StoreからWalmartに変更し、「当社は店舗だけじゃない」という姿勢を明らかにしている。
そして自社の資産である店舗網を、単にモノを売る場所ではなく、ECのための自社倉庫としての機能と捉え直したり、デリバリーのための配送拠点、顧客がピックアップするための拠点として再定義したりしている。また、ECサイトのベンチャーを買収して、そのトップにDXを任せることで自らも学び直している。
そして自社の資産である店舗網を、単にモノを売る場所ではなく、ECのための自社倉庫としての機能と捉え直したり、デリバリーのための配送拠点、顧客がピックアップするための拠点として再定義したりしている。また、ECサイトのベンチャーを買収して、そのトップにDXを任せることで自らも学び直している。
買収したベンチャーに自社のDXを任せるのは、大胆なやり方だね。
日本企業でDXが進まない理由は、事業会社側にプロジェクトを大胆にリードできる人がいないからとも言われているけど、これまでのやり方や考え方が染み付いた社員を集めてプロジェクトを作っても、たいしたことはできないのでは。特に本業に仲間が残っていて、自分もいずれそこに戻って出世したいと思ったら、厳しい自社批判はしにくいよね。多くの会社に参考にして欲しいポイントのひとつだ。
メールマガジン「NEXT DX LEADER」をメールでお届けします。
DX関係の最新記事、時事ネタなどをお送りする予定です。