ガンダムで最も絶望を味わった主人公は? 「キラ・ヤマト」「ウッソ」「カミーユ」の名前が挙がる
先日、友人と『機動戦士ガンダム0080』の主人公はクリスなのかバーニィなのかで問答になった。僕はガンダムに乗っている方を主人公と思い込む癖があるので、クリスを主人公と思っていたが、相手は「バーニィだ」と譲らない。
ただ、仮にバーニィが主役だとしても、別に分からないこともない。その最期はあんまりだったけども。ガンダムシリーズにはしばしば、悲惨というか絶望的な境遇に置かれる主人公もいるものだ。今回はちょっと「誰が一番不幸だったのか」というのをテーマに一席設けていきたい。(文:松本ミゾレ)
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キラは「親友と命のかけあいとか目の前で恋人殺されてとか悲しすぎる」
5ちゃんねるに先日「ガンダムシリーズで一番絶望を経験した主人公って」というスレッドが立っていた。誰が一番不遇だったか決めよう、という趣旨のスレッドである。
スレ主はこれに『機動戦士ガンダムSEED』のキラ・ヤマトを推している。その理由は「親友と命のかけあいとか目の前で恋人殺されてとか悲しすぎる」というもの。
たしかに友人のアスランと死闘に及ぶし、その際に双方にとっての仲間も戦死するし、終盤ではフレイがクルーゼに殺されるし、起きたことだけを見れば不幸にも思える。でも、そもそもの出自が優秀だし、主人公補正がいろんな意味で輝いていたから、僕は不思議と彼が絶望的な状況に置かれていたという気は、そこまでしない。
むしろ、続編の『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』の主人公シン・アスカのほうが何倍も不遇に感じられてならない。ましてやキラに、自分と惹かれ合っていたステラを撃たれてるし。しかも目の前で。『Z』の焼き回しみたいなシーンだったけど、あそこはショックだった。
さらに、劇中ではどんどんシンの活躍よりもキラの躍進が目立つようになっていって、最終的にはシンが置いてけぼり状態で話も畳まれる有様。これを不遇と呼ばずして何と呼ぶんだろう。
「まあ普通に考えてミカヅキかコウだろ。世界の理不尽さを思い知らされた」
まあ、絶望と一口に言ってもその種類はさまざま。戦況が圧倒的に不利という状況を突破しなければならないとか、勝利を確信していたら敵の大型MAが登場してビッグ・トレーが沈んだとか、いろいろある。
スレッドにも、そういった事例を踏まえての意見といったものがあるので、ちょっと紹介してみたい。
「ウッソだろう。あの時代は何でもありだった」
「今度やるハサウェイが一番だろうな」
「(カミーユについて)両親共に目の前で亡くして、心を通わせたフォウやロザミィも救えず、ロリコン(シャア)は無責任でエマさんまで看取るハメにあったからな、キツいな」
「まあ普通に考えてミカヅキかコウだろ。世界の理不尽さを思い知らされた」
「イオ・フレミングだろ。コロニーごと破壊されて父親自殺。サンボル宙域では捕虜になって拷問。タール火山基地攻防戦では幼馴染みで元恋人を自分で殺め、その後は幼馴染みで親友の眼鏡を自分で射殺」
と、こんな具合に不遇・不幸の数々を経験し、辛酸をなめてきた歴代主人公の名前が並んでいる。『閃光のハサウェイ』が間もなく公開となるけど、大方のあらすじが変更されていなければ、たしかにハサウェイも酷い経験をすることになる。何しろ、その最期が最期だけに、今から映像を観るのもつらい。あとはカミーユか。最終的には心が持って行かれて、回復までにかなり時間がかかったし。
逆に、ほとんど不幸に見えないとか、悲壮感をまとってない主人公って誰なんだろう。やっぱ、『機動戦士ガンダムZZ』のジュドーとかになるのかしら。ジュドーも妹とプル絡みで結構しんどい思いはしてたけど、元々生命力の塊というか、根明だからなぁ。終盤に至っても憤ることはあっても潰れることもなかったし。ジュドー、いいよね。