パチンコ屋の客が減ったのは“実戦動画”のせい、という主張に思うこと
7月は9万円も負けてしまった。涙に濡れながら今回もパチンコ関連の話をしていきたい。
少し前に、サミーの『スマスロ北斗の拳』がスマッシュヒットして「このヒットは業界にとってもユーザーにとっても良い。多分次に公開される遊技人口はパチスロ部門だけでも数字が上向く」と予言していた。もう数か月もしないうちにその結果が分かるはずだが、今も予想にはだいぶ自信がある。これで遊技人口が前年比で悪くなっていたら切腹しても構わないぐらいに。
という死亡フラグを書いたところで本題。今年はスマスロだけでなくスマパチ。玉を触らなくても遊技できるパチンコも登場したが、全国的に不人気で、既存設備と交換する形でわざわざスマートユニットの導入費用を捻出した数々のホールが悲鳴を上げている。
いちユーザーとしては「導入したからと言って新台を打ってくれる層なんて、今はもう全員競馬やらボートやらに移ったよ」って思ってしまうところだ。だけどまあ、ホールも商売なので釘を甘くしてお出迎えするわけにも行かないんだろう。パチンココーナーは、2、3年前に比べると稼働が落ちているように見受けられる。
「動画で満足できるからパチンコしなくていい」は詭弁では
で、先日5ちゃんねるにも「パチンコ屋の客が減った理由わかった」というスレッドが立っていた。スレ主は、「実戦動画観て打った気分になれる」を原因に挙げている。
実戦動画というのはYouTubeなんかで配信されているプレイ動画で、ゲーム実況のパチンコ版みたいなもの。有象無象の動画出演者が台の解説を交えながら自費で打ったり、会社から支給されたお金で打っている様子を編集してテロップとかも入れてパッケージングした映像のことを指す。
金がなくても観られるこういうコンテンツは、低所得者層のファンが多いパチンコとの親和性が超高い。中には、ホールでパチンコを打ちながらパチンコの実戦動画を観てる人もちょくちょく見かける。パチンコを未だにやっているだけでも相当アレなのに、アレ具合が倍になったように見えて、本人は気にならないんだろうけどインパクトが凄い。動画に夢中になり過ぎて止め打ちしてない人もいるし。
しかし、動画で満足しちゃうから打たずに済むという説は、正直僕は同意しない。パチンコ好きなのにパチンコを打たない人ってのは動画で見て納得したり満足したりする生き物ではない。金がない期間は打てないから、動画に逃げてるだけなのだ。
なので順序が逆なんだよね。動画で満足するからホールに行かなくなるのではなく、しばらく動画でしのぐしかない自分を誤魔化しているのが正しい。そういう人は金が入ってきたらまたホールに行く。
パチンコの客が減った理由は色々ありすぎ!そしてどれも正しい
そして他にもこのスレッドには、パチンコ客がどんどん減っている理由を書き込んでいる人たちがいるので、ちょっくら引用させていただきたい。
「当たらないからだろ」
「ちげーよ 吸い込み酷過ぎるからだよ」
「首都圏駅前のパチンコ店の賃料が月二千万って聞いてからヤル気なくなった そりゃ勝てねーよな」
「コロナでパチンコ屋行かなかったら不思議と金が増えたからいまだにジンクスとして行ってない」
「ジジババがいなくなったから」
パチンコのユーザーって高齢者が多いんだけど、図らずもコロナ禍に突入したことで、さすがにパチンコしかやることがなかったおじいちゃん、おばあちゃんたちも目が覚めた節がある。
ホールでのクラスター発生状況はその他の商業施設より低かったが、万が一の事態を想定して打ち控える高齢者が出て、そういう高齢者はそのままパチンコを引退してしまうという例があったという。
コロナ禍真っ最中の頃、業界向けのウェブサイトでも「高齢者はワクチン接種率も高いのにホールに戻ってこない」と危惧する記事がたびたび目についていた。
パチンコもそうだが、趣味なんて体が資本。高齢者は平時こそむざむざ養分にされているが、いざとなった時にはきちんとリスク管理をする人が多かったということかもしれない。
中にはこのコロナ禍のうちに完全にパチンコ以外の趣味を見つけた高齢者もいることだろう。あるいは単純に年を取って施設に入ったなんて人もいるかもしれない。
業界はもう20年ぐらい前から、新規客獲得を急務として色々と取り組んでいる。しかしその取り組みってのが、女優の柴咲コウをCMに出して大きな銀玉の上で玉乗りをさせるという終わってるセンスしかなかったりするので、なかなか数字に結び付いていない。今年は『北斗』でまだ持ちこたえそうだが、その後はどうなるだろうか。