理想の先輩は説教ではなく自分の失敗談を話す 後輩芸人が語る有吉弘行の「いい先輩」ぶり
平子さんはそう思った理由について説明をする。
「上手くできなかったみたいなことも、もちろんあるわけじゃん? あの人がそういった時、後輩にどんな言い方をするかっていうとすごいよね。説教でも奢るでもなんでもないんだよ。自分の失敗例を話してくれるんだよね、それと似たような状況の」
番組で結果を残せなかったことを相談すると、有吉さんは自身の失敗談を話してくれるようだ。そのことに、平子さんは有吉さんの器量の大きさを感じたという。
その番組の収録後に有吉さんにご飯に連れて行ってもらったらしく、その席で「どうだったよ?」と聞かれ、平子さんは「ダメでした。難しいっす」と弱々しく答えたら、
「世間の(有吉さんの)イメージは『何言ってんだ?ちゃんとやれよ! しっかりやってくれよ!』じゃん? 『そうだよな、難しんだよな』って言ってくるんだよ」
と上手くいかったことを共感してくれたようだ。
有吉さんは「ウケなかった人達と一緒にさ、『どうすればいいのかな』ってロケバスで帰るんだよ。でもさ、今となっちゃさ、それが良いんだよな、だから羨ましいんだよ。お前らみんなロケ車で帰るだろ?あーでもないこーでもないって言って、あれが良いんだよな」と今の辛かった経験がいつか大きな財産になると教えてくれたと語った。
「自分の失敗した部分をまず言って、そしたら後輩も察するからね」
平子さんは「この人がそんなん言ってんだったら、俺らがどうのこうのじゃないってなれるわけよ」と大活躍中の先輩が失敗談をさらけ出してくれる姿に、うじうじ悩んでいたことが馬鹿らしくなったと話す。
そして、「先輩の裏話をどこまで言っていいか難しいけど、みんなに知ってほしい」と有吉さんのイメージを崩しかねないことを配慮しつつも、こうした、いい先輩としての面も知ってほしいとし、「自分の失敗した部分をまず言って、そしたら後輩も察するからね。叱責されずとも」とわざわざ説教をしなくても、後輩はそこから勝手に学ぶと語気を強めた。
部下や後輩に対して、カッコつけたりマウンティングしたりする先輩や上司は少なくない。ただ、そういった人は周囲から疎まれ、全く慕われることはないだろう。成功していながらも失敗談を話せる人柄が、今の有吉さんの人気を支えているのかもしれない。