ライブ中止したロックバンド、政府の対応に”疑問” 「社会がこの状況でも平常運転。電車は1日約70万人が利用」
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、イベントの中止・延期が相次いでいる。YouTuberバンド「Non Stop Rabbit」も3月1日開催予定だったツアーファイナル東京・豊洲PIT公演の中止を発表した。
メンバーの田口達也さんは2月26日、自身のツイッターで「コロナウイルスに感染していなくとも、生活が困難になる事実を政府に届けたい」と現状について投稿した。この内容がネット上で話題になっている。
田口さんは「ファンのみんな、関係者の皆様へ」と題し、「ファンの安全とコロナウイルス拡散防止という判断をご理解いただければ幸いです」と記す。続けて、「ここからは僕個人の意見を発信させて下さい」と綴った。
【関連記事:RADWIMPS野田、政府対応に苦言「”要請”を出し続けるだけでなく具体的な対策をもう少し出すべきでは」】
「ライブ中止で会社すら潰れかねない損失を受けます」
Non Stop Rabbitは田口さんが代表取締役社長を務め、社員であるメンバー2人とともに事務所を経営している。今回のコロナウイルスによるライブ中止では保険がおりないという。中止した公演にかかる会場費・制作費・人件費・グッズ代は1000万円を超えるが、
「通常通り開催できていればチケットの売り上げは1200万円を超えている為、赤字になることはありませんでした。ファンを守れるのであれば、今回の赤字を背負うことに抵抗は全くありません」
という。しかし、「僕らの様なアーティストはこの規模のライブ中止で会社すら潰れかねない損失を受けます。音楽という仕事すら続けられなくなる可能性が中止の決断一つで出てしまうのです」という。ライブハウスなどの公演会場については、
「この規模の会場は短くても1年以上前から予約をする事でライブの実現が可能になります。なので今の状況では振替公演の場所を確保することもできていません」
といい、「何よりも、この日の公演を楽しみにして下さっていた皆様の想いに応える方法を見出せないことが最大の悩みとなります」と綴る。
「政府も本気で対応して下さい」
Non Stop Rabbitは、政府からイベント中止・延期要請を受けてライブ中止を決断したが「ここで疑問を覚えました」という。
「社会がこの状況でも平常運転ということです。電車は多いところで1日約70万人の方が利用をします。会社や学校という人が集まる場所の対策も明言されぬまま2019年末コロナが発現してから現時点で約3か月が経過。なのに検査ができる体制も整っていない」
その上で、イベントやコンサートを中止してほしいという政府の要請に対し、
「俺はウイルスに感染していない。でも自分の会社、アーティストの人生が終わる可能性が出る状態まで追い込まれた。そうなったからこそ言える。本当に国を挙げて対応して欲しい。1人でも救われて欲しい」
とコメントした。続けて、「アーティストは本気でファンを守る決断をします。その決断でアーティストに矛先が向くことがあると分かっていても。だから政府も本気で対応して下さい。感染を止めてください。そして感染せずとも何かを失った人がいるという事を分かってください」と訴えた。
この投稿に27日現在、約3万6000件のいいねがついている。リプライ欄には「学校も会社も電車も運行してるのに、イベントだけが…というの、中途半端だし個人の負担大きすぎると思う。せめて協力したところには補填措置があってもいいと思う」といった声が寄せられている。
ライブを中止する事となりました。
コロナウイルスに感染していなくとも、生活が困難になる事実を政府に届けたい。 pic.twitter.com/Xug29souav
— 田口 達也【ノンラビ】アルバムオリコン1位獲得?? (@Ace8trriger) February 26, 2020