林間学校の肝試しで幽霊がついてきた… 霊感持ちの父に教えてもらった”九字”を初めて切った時 | キャリコネニュース - Page 2
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林間学校の肝試しで幽霊がついてきた… 霊感持ちの父に教えてもらった”九字”を初めて切った時

「あのキラキラが見えるのか?」と言われた時、「父にも私にもキラキラは見えている。でも見えない人もいる」ということを知った。そして小学3年生の時、父から「お前を守ってくれるおまじないだ」と”九字”という護身法を教えられた。

「お前も見えるようだから『九字』を覚えておきなさい。基本的には何か怖いものや嫌なものを見た時は、意識を向けず無視をしなさい。でも、相手が近づいてきたり気持ちが負けそうになったりした時は、強い気持ちで九字を切りなさい」

当時は「これ『セーラムーン』でセーラーマーズ(火野レイちゃん)が唱えてるやつだ!」と興奮した。それからは魔法のおまじないのような感覚で、九字の切り方を練習した。

が、たいてい心霊体験をする時は父が一緒だったので、筆者が九字を切る必要はなかった。初めて一人で使ったのは、教わってから2年後だった。

「あれは先生がやってるオバケじゃない……」

通っていた小学校では、5年生の夏休みになると親元を離れ、市内の林間学校で過ごす行事があった。場所は同じ市内ながら随分と山奥にある。普段目にしたことがないほど緑が濃い所だった。

2泊3日で、クラスメイトが班に分かれてテントを張って寝泊まりする。飯盒炊さんでカレーを作ったり、清流で泳いだり、キャンプファイヤーをしたり。普段とは違う田舎の景色に囲まれ、夏を満喫した。

最終夜には「肝試し」が行われた。先生達がオバケ役で、林間学校から山道に入る手前までを回るルート。陽が落ちて暗闇が迫る頃、筆者の班も懐中電灯を持って出発した。

田舎の夜道は暗いが、街灯もまばらにある。生暖かい湿った夜の風と、草いきれのむっとする空気が肌にまとわりつき気味が悪かった。先生のオバケは本格的で、遭遇すると全力で追いかけてきた。筆者も友達もキャーキャー言いながら逃げ回った。

そして折り返し地点。坂道で、山道の入り口から先はより一層闇が濃かった。その手前に最後のオバケ役の先生が立ち、児童をおどかしていた。

しかし先生の奥、山道に何かを見た。みんなが先生から逃げ回っている時、スローモーションのような感覚になり、山道の奥に目が釘付けになった。

真っ暗闇の中に、白いものが浮かんでいた。女性の上半身だ。下半身はよく見えない。その女性は右手をすっとあげて、ゆっくり手招きした。

直感で「あれは見てはいけないやつだ」と思った。

「もしかしたら、あの山道で見た女の人かも」

すぐに背を向けて、逃げ回っている仲間のもとへ走る。そこからは一切振り向かず、心の中で「気づいていません、気づいていません」と唱えながら施設まで戻った。

以降、何も起こらず、班のみんなとテントで就寝した。深夜、寝苦しくて目が覚めた。違和感があった。テントの外に何かがいる。テントは2つ入り口があり、筆者は奥の入り口付近に寝ていた。そのもう一方の入り口の外に気配があった。

それはゆっくり、ズズッ……ズズッ……とテントの周りを移動し、筆者が寝ている方へやって来た。テント1枚隔てて、そばに立っている。

怖くなって入り口に背を向け、ぎゅっと目を閉じた。「もしかしたら、あの山道で見た女の人かも」と思い、「私は気づいていません!」と心の中で唱えた。しかし気配はずっと背中越しにあった。

「いなくならない!どうしよう!」と焦った筆者は、九字を思い出した。教わった通り、目を閉じながら手で動作をつけて、心の中で初めて九字を唱えた。何度も何度も繰り返し唱え、最後は強気に「どっか行け! いなくなれ!」と付け加えた。

すると、背後にあった気配がスッと消えた。「あ、今いなくなった」と感覚的にわかった。成功したのか?と思いつつ、怖くてずっと目を瞑っていた。寝返りを打つのも怖かった。気づけば朝を迎え、起きた時には何も異常は感じなかった。

山道で見た女の人が何だったのか、そもそもテントに来たものがあの女の人だったのかもわからない。ただこの体験を機に、父ほどではないが筆者も嫌な気配から身を守れるようになった。

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