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牛丼、バーガー、うどんにバター……相次ぐ「値上げ」に冷や汗

松屋の牛丼画像

bryan… from Taipei, Taiwan, CC BY-SA 2.0, via Wikimedia Commons

ただでさえコロナで不景気なのに、あちこちで「値上げ」のニュースが聞こえてくる。ボクたちの生活はどうなっちゃうのだろうか?(取材・文=昼間 たかし)

衝撃を与えた牛丼の値上げ

今年秋以降、多くの消費者に先行きを不安視させたのが牛丼チェーンの値上げだ。「松屋」では牛丼並盛りが320円から380円へ値上げ。「吉野家」では同じく並盛りが387円から426円に値上げされた。松屋も吉野家も大盛りは「ワンコイン超え」。安くて美味くてどこでも食べられる庶民の味方、牛丼もいよいよ終わりかと冷や汗がでる。

牛丼に限らず、今年は「低価格チェーン」で値上げが相次いでいる。今年4月にはモスバーガーが「本体価格+税」の価格表記をやめ、持ち帰りと店内飲食の税込み価格を一本化した。これにより全メニュー116品目のうち70品目が値上げとなった。

定番商品の「モスバーガー」は370円から390円に。牛丼に比べると値上げ額は少ないが、いよいよ単品400円越えも近づいているような恐れを感じてしまう。

4月には、うどんチェーンの「丸亀製麺」も、商品の2割あまりで10?30円の値上げを実施した。基本メニューの値上げには踏み切らなかったものの、これも衝撃が大きかった。

「串カツ田中」も3月に多くのメニューで平均10円の値上げ。10月には「びっくりドンキー」が264品目中64品目を平均25円値上げした。

牛タンチェーンの「ねぎし」は、9月から牛タン定食のうち「ねぎしセット」が1450円から1750円に。「白たんセット」が1850円から2450円と劇的な値上げを実施している。

外食産業が値上げに踏み切らざるを得ない背景は、原材料費の高騰だけではない。

「外食産業では人手不足による人件費の高騰が続いていました。コロナ禍でどこのチェーンも持ち帰りメニューを強化しています。その需要は高いのですが、持ち帰り客対応のスタッフを配置するために人件費が増えています。それにアルコール消毒など感染対策の費用もばかになりません」(経済紙記者)

「自炊派」にも打撃

「外食が高くなったなら自炊を」といいたくなるが、食材費が高くなっているのだから、当然こちらも影響を受けている。

10月からは食品の値上げが続いている。雪印メグミルクや明治は、マーガリンなどの値上げを実施。雪印の「ネオソフト」は小売価格で16円ほど値上げされた。

味の素グループでは来年2月以降に冷凍食品18種類を4?13%値上げすると発表。これは輸入牛肉の価格上昇、さらに原油高によって工場の燃料や梱包費用も上昇していることが理由だ。同社では業務用商品の値上げも予定しており、スーパーの惣菜や外食にも値上げの波が波及すると予測されている。

コロナ禍で、実益を兼ねた趣味として愛好者が増えていたのがパン作りだが、小麦価格も高騰している。これを受けて日清フーズでは来年1月以降の値上げを発表。薄力粉「日清フラワー」(1キロ)は16円値上げして290円となる見込みだ。小麦の価格上昇の影響は広大で、製パン業各社から麺類まで価格上昇の波が拡大している。

また、世界的なジャガイモ収穫量の減少を受けてカルビーも「ポテトチップス」などの商品の値上げを発表した。人気シリーズの「じゃがりこ」は価格据え置き、量を減らして対応するとしている。

ジワジワと広がっている値上げ。いずれも即「買えなくなった」というほどではないけれども、以前と変わらない感覚でいると、ふと気づいたときに想像より財布のお金が減っていた、という感じになりそうだ。

いまは、コロナ禍で自粛続きだった反動の「リベンジ消費」で、高級品の売れ行きが良いというニュースもあるが……。今年はいっそう格差を実感する冬になりそうだ。

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