累計8万枚突破の大ヒット吸水ショーツ「Be-A〈ベア〉」 批判コメント乗り越えた起業家の挑戦 | キャリコネニュース
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累計8万枚突破の大ヒット吸水ショーツ「Be-A〈ベア〉」 批判コメント乗り越えた起業家の挑戦

2020年6月に登場し、一躍大ヒットした商品がある。超吸収型サニタリーショーツ「ベア シグネチャー ショーツ」だ。サニタリー期間中、このショーツ1枚で1日を過ごすことができる。同商品は、株式会社Be-A Japanのクラウドファンディングプロジェクトとして誕生。わずか45日で1億239億円の支援金が集まった。2022年3月現在、累計8万枚を突破した。

キャリコネニュースでは、2021年に「Be-A〈ベア〉」の使用レポと開発に至る経緯を取材している。

今回は、大ヒット商品を生み出した株式会社Be-A Japanの代表で美容家・起業家の山本未奈子さんに、「Be-A〈ベア〉」の特徴やこだわりを聞いた。(文・コティマム)

筆者も愛用している「Be-A〈ベア〉」。約120mlまで吸水できるということで、初めて使用した時は「サニタリー期間の習慣が変わる!」と驚いた。このショーツ1枚だけなのに、量が多い2日目でも漏れない(※個人差あり)。使用後の洗い方も簡単で何度でも使える。「サニタリーアイテムを買わなくていい!持ち歩かなくていい!捨てなくていい!」というのは画期的だった。

開発に2年半!30工程以上かけた「漏れない設計と吸水量」

Be-A Japan代表、山本未奈子さん

同商品は、山本さんがビジネスパートナーである高橋くみさん(※「高」は「はしごだか」)と共同で企画・開発したもの。アメリカ・LA在住の高橋さんが2013年に吸水ショーツを見つけ、日本に持ち帰って来たことがきっかけだ。

――実際に「Be-A〈ベア〉」を使用して、とても快適で驚きました。あれだけの吸水量ものを作るのは大変だったのでは?

山本さん「すごく大変だったんです!!開発に2年半かかりました。『満足できないものは発売する意味がない』という信念で、3つのこだわりを持って作っています。ひとつは、多い日でも漏れない設計と吸水量。もうひとつはニオイと衛生面。最後に洗濯のしやすさ。その他にも、お腹を温める役目もあります。下着のOEM工場に20社くらい問い合わせしましたが、『サニタリー期間に1枚ではけるショーツ』と言った瞬間に『そんなもの作っても売れない』と断られました。最後に高橋が尿漏れショーツの技術をお持ちの工場に問い合わせ、やりとりののち、ようやく『ぜひやってみましょう』と言っていただけました」

――試作品はどれくらい作られましたか?

山本さん「2年半で何度も作り直してもらって、細かい調整をいれるたびに『もっと!』と。私たちがあまりにもいろいろな注文をするので『やっぱり無理です』と言われたこともあって、頭を下げたこともあります。普通のショーツは5工程ほどで作られるのですが、『Be-A〈ベア〉』は30工程以上かかります。吸収体の部分も職人さんの手により丁寧に縫製されているので、本当に手間暇かかった商品なんです」

――30工程以上も!

山本さん「素材もメッシュのポリエステルを肌に触れる表面に採用し、吸水後に生地をさらさらに保ちやすいようこだわっています。汚れ離れがよく、1日はいていてもなるべく快適に過ごせる素材を取り入れました。また吸収体と身生地をセパレートにしたことで洗濯もしやすく乾きやすい。この構造は特許も取得しています。従来のサニタリーアイテムと併用したい方のために、ウィングポケットも作っています。スポーツをされる方なら、併用していただくとさらに安心だと思います!」

子どもから更年期世代まで使えるショーツ 福利厚生として取り入れる会社も

――こだわりが詰まっていますね!どういった年齢層の方が使用されていますか?

山本さん「30~40代が中心ですが、お母さまが使用して『これは子どもにも使わせたい!』とおっしゃって下さる方も多いです。子どもはサニタリーアイテムに固定観念がないので、すんなり受け入れてくれます。私も学生時代は袖にサニタリーアイテムを隠してお手洗いに移動していましたが、高校生の娘も同じことをしていました!30年経っているのに何も変わっていない現状にびっくりです。今は娘も『Be-A〈ベア〉』を使っています」

――これからの子ども達は「吸水ショーツ」でサニタリー期間のイメージが変わるかもしれませんね。40代以上の反応はいかがですか?

山本さん「実は私も46歳で更年期になりまして……」

――え??46歳??見えません!お美しい!!(筆者驚き)

山本さん「いえいえ(笑)。更年期になるとサイクルも不順になって、いつ来るかわからないんです。量も突然増えたり、少量がずっと続いたり。だから私は『Be-A〈ベア〉』を一年中はいてはいています。更年期世代の方からも『ベアがあってよかった』と感想をいただいています」

――福利厚生で取り入れている会社もあるとお聞きしました。

山本さん「福利厚生サービスを提供する『ベネフィット・ワン』で取り入れていただいて、多企業が利用できるようになっています。またベビーシッター会社や、航空会社の『ZIPAIR』などでも導入していただいています。ダイバーシティと働きやすさという点と、働き方改革で『女性を支援する、もっと働きやすい環境を』ということで、『Be-A〈ベア〉』のショーツを導入してくださっているところが多いです」

――CAさんは長時間勤務なので、『Be-A〈ベア〉』があればサニタリー期間のフライトも心強いですね。

山本さん「そうなんです。個人的には長時間施術するセラピストさんにも向いていると思います。また私達は福祉団体やコロナ病棟などで働く看護師さんに『Be-A〈ベア〉』を3000枚以上寄贈しています。防護服もあって何層にも重ね着されていたり、業務上簡単にお手洗いにも行けないと思うので」

批判コメント800件も「『ありえない』という所から『なくてはならないもの』に」

――クラウドファンディングで資金を集められましたが、当時の反応はいかがでしたか?

山本さん「実はクラウドファンディング時に、Yahooに記事が掲載されました。その時、批判コメントが800件もありまして……。『こんな商品、気持ち悪くて使えない』『ナプキンで結構です』とか」

――800件も……。

山本さん「何かを作ってイノベーションが起きる時は、そういうことなのかなと。今までの常識を非常識に変えていくというか、新しい選択肢を出すということは、やっぱり批判から入っていく。『ありえない』という所から、使ってみたら『あれ、なんかいいかも』と。その後に『なくてはならないもの』になる。この過程が新しい時代を作っていくというのを感じました」 

――今後の課題や、取り組んでいきたいことはありますか?

山本さん「もう少し普段から使えるような“はき心地”のいい軽いタイプを開発中です。週に2回はお客様と個別インタビューをさせていただいています。実際の声を聞いて、満足な点、不満な点を細かく質問して社内で共有し、商品開発や改良に役立てています。また初めての吸水ショーツが不安な方や、使用して納得できない方のために、無料の返品キャンペーンも試験的に行っています。機能面が充実している分、比較的値段が高めなので、返品キャンペーンがあれば最初に使ってみるハードルが下がるかなと思って」

――これまで使用をためらっていた人も、使ってみようと思うかもしれません。

山本さん「はい。『女性特有の悩みを解決して、心地よい生活を提供する』のが私達のミッション。決して男性を排除しているのではなく、サニタリー期間や出産、更年期など特有の悩みがある女性にまずはフォーカスしているという意味です。『Be-A〈ベア〉』が女性の快適な生活をサポートできればなと思います」

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