夏場の電力消費で大きな割合を占めるエアコン。大手電力7社が電気料金の値上げへ動く中、少しでも節電したいところだが、ちょっとした手間で電気代が結構変わってくるようだ。
空調総合メーカーのダイキン工業が昨年夏のニュースリリースでエアコンの手入れと節電効果について調べた検証結果を発表している。
同社の調査では55%の世帯でエアコンのフィルター掃除が不足。そこで、実験ではエアコンの使用実態を考慮し、今でも多くの家庭で使われている10年以上前のエアコンと、約3年分のホコリが溜まったフィルターを使用。フィルター掃除の有無で消費電力量がどれだけ変わるか検証した。
シーズン中は「2週間に1回のフィルター掃除」を
まず、掃除をせずに3年分のホコリがたまったフィルターを使用した場合の消費電力量は2.62 kWh、1ヶ月の電気料金は2437円(電気料金は31円/kWhにて算出、以下同)だった。一方で、フィルター掃除をした場合では、消費電力量は1.76 kWh、電気料金は1637円と、しなかった場合と比較すると800円の節約となった。また、CO2排出量もフィルター掃除によって1か月で11.7キロ削減できるという。
また、「フィルター掃除をせず、室外機周辺の風通しを遮る障害物がある」場合の消費電力量は3.61 kWh、電気料金3357円だったのに対し、「フィルター掃除をして、室外機周辺の障害物をなくした」場合の消費電力量は1.76 kWh、電気料金1637円だった。
フィルター掃除と室外機周辺の片づけを両方やることで、消費電力が約半減し、1か月1720円の節約になるという結果だった。実験では室外機周辺に大量にものが置かれている状態と、除去した状態というやや極端な比較をしていたが、室外機にあまり気を配って来なかった人は、改めて注意が必要だろう。
同社は「フィルターにホコリが堆積すると、室内機を通る空気の量が減り、室温が設定温度に到達するまでに時間がかかります」として、シーズン中は「2週間に1回のフィルター掃除」を推奨している。新しい省エネモデルのエアコンを買うのも一つの手段ではあるが、まずはこうした手軽な節電対策で真夏を乗り切ってみてはいかがだろうか。