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「この子はいつも1番よ」嘘の自慢をする母親に苦しみ長年引きこもった女性

画像はイメージ

子どもは親の所有物ではない。しかし中には自身の名誉のため、我が子に過度な期待とプレッシャーを与える親もいる。それにより苦しめられるのは、もちろん子どもだ。兵庫県に住む40代後半の女性(医療・福祉・介護/年収300万円)もその一人で、

「幼稚園児の頃から『休むとみんなより遅れるから1日も休むな』と母から言われて、無理して通い続けた」

この「休むと遅れる」は、中学浪人した母親自身の経験からくる言葉だった。(文:永本かおり)

「娘を道具のように使うなんて許せない」

「自分と同一でありながら学業は優秀であれ、という躾を受けたように思います」と振り返る女性。その母親は、女性のことをこのように自慢していたようだ。

「小学生の頃はテストで100点を取るたびに、母の母(私の祖母)に電話で報告をし『この子はいつも100点なの』と自慢をする」

「中学生になると、点数だけでなく順位まで明らかになるため、学年で2番であっても『また1番なの。この子はいつも1番よ』と嘘を交えて大げさに自慢する」

このように「なぜか自慢の矛先はいつも祖母」だったという。その理由を「祖母に自慢をすれば、親戚中に知れ渡る。それを母は狙っていたのか」と推測。「母の故郷は大変な田舎で、親戚が多くその繋がりも濃い」という。女性はそのことで、

「幼い私にとっては大好きな『おばあちゃんの家』だったので、そこへ嘘をばらまかれるのはつらかった」

「それに『常に1番じゃないといけないんだ』というプレッシャーも、成長とともに大きくなっていった」

と心境を明かした。学年で2番でも十分優秀だと思うが、褒められることがなかったようだ。その後、中学2年の2学期の実力テストで、母親の思惑通りようやく「学年1位」になった。

ところが、これを機に、とうとう力尽きてしまい不登校となり、長い間引きこもり生活をすることに。無理をし過ぎたのだろう。それでも母親は、娘を自慢することに執着していたようだ。

「学業や社会で駄目になった私を見ても、母は諦めることを知らず、私の運動神経や美貌を自慢するようになりました」

「結局母は、私に期待したのではなく、自分が母親に認められたい一心だったんです。そのために娘を道具のように使うなんて許せない」

と、悲しそうに怒りを綴った。

現在の生活について、こう綴り締めくくっていた。

「10年ほど前に祖母が他界し、母は私にすがるようになりましたが、私は母を捨てて自立への道を歩むことにしました。引きこもりが長かった分、世間とのズレが大きく不器用なままですが、今の私は自分にできることを一歩一歩進めていて、昔に比べたらずっと幸せです。今でも毒親の後遺症に苦しんでいますけどね」

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