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「風呂はカビだらけ、居間には綿ホコリが……」実家が汚すぎて帰省したくない40代男性

静岡県出身の男性が実家で過ごしたのは、大学進学で上京するまで。男性の記憶にある母親は、極度なほどの綺麗好きである。

「共働きにもかかわらず、毎日家の隅々まで掃除機をかけていました。家の中にホコリが落ちていることなんてなかったですね」

その実家が、見るも無惨に変わっていることに気づいたのは、7年前のことだった。

「それまで帰省するのは年に数日。なので、以前ほど掃除が行き届いていないのも、さほど気にはしていなかったんです」

ところが7年前に、ギックリ腰になってしまった母親からヘルプを求められた男性は有給休暇を取って、1週間帰省した。

「父親が家事ができないのは承知してました。おまけに独身の妹についても『会社が忙しく、役に立たないから』と言うんです。その時は、妻も『手伝いに行くべき』と言うので、仕方なく帰省したんですが、そこで初めて実家の悲惨さに気づきました」

掃除や洗濯を引き受けた男性は、その惨状に呆れた。階段や廊下、リビングの使っていない部分には綿ボコリがてんこ盛り。トイレの便器には容易に取れない輪染み。風呂も、排水口のところには髪の毛が山となり、あちこちがカビだらけになっている。

「実家ながら、こんな汚いところにいたら、病気になるんじゃないかと思いましたよ」

中でも男性が呆れたのは洗濯物だったという。

「妹が『洗濯物は干しておいたから』と言うので取り込むことにしたんですが、フワフワ感など一切ない布が物干し場にブラ下がっていたんです。母親に柔軟剤を使っていないのかと尋ねたら『そんなものは何年も使ったことがない』と言うんです。衣類が、洗濯機にかけてもなおゴワゴワした薄汚れた布になっていることに、なにも感じないのかと愕然としました」

台ぶきんは茶色く汚れた雑巾にしか見えず

帰宅後、妻に惨状を愚痴ったところ妻も「実は、前からまったく掃除ができていないと思っていた」と言い出したという。

「以来、実家への帰省は日帰りです。どうしても泊まらなければならない時はホテルを使うようにしています」

さらに男性は妹にはことあるごとに説教をするようにした。

「妹は地元ではそれなりの会社に勤めているとはいえ、毎月数万円を入れるだけで上げ膳据え膳なわけでしょう。なので掃除くらいはするように言っているのですが、『家事は無理』と言うばかりで、呆れました」

さらに、昨年のお盆に日帰りで帰省した時は、こんなことも。

「食事を出すというのですが、肝心のテーブルが汚れていたので妻が気を利かせて『テーブルを拭きましょう』と言ったんです。すると妹が台拭きを差し出したんですが……どう見ても茶色く汚れた雑巾にしか見えませんでした。そんな環境で作る料理は……母親の作ったものとはいえ、食欲がわきませんでしたよ」

これでは帰省も苦行だ。一度、清掃業者にクリーニングしてもらったらとも思うが、難しいだろうか。

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