この投稿には2000以上のコメントが入り、関心の高さがうかがえた。「海外に逃げるかな」「偽装結婚が増えるんじゃない?」をはじめ、多くが「独身税は少子化対策にならない」という意見だ。
「(結婚しようとは)なりません。ただでさえ独りだから老後のために、少しでも蓄えたいのに」
「独身の人のお金がますますなくなって結婚が遠のくじゃん」
「独身税のある国で子どもなんて作らねえ。産まれる子が可哀想だから」
など、むしろ結婚や出産には逆効果だという主張が圧倒多数だ。独身者は子どもがいない分お金を自由に使えるイメージがあるが、そもそもお金がないから結婚できない人もいる。独り身だからと税金を搾り取られては、結婚どころか交際するお金すらなくなってしまう。
「非正規雇用をなんとかしないと低収入から抜け出せない」など、そもそも非正規雇用で低収入の人が多い現状を改善しないと、「結婚できない・しない人は増えるだけ」という指摘もあった。家庭を持つには安定収入が重要なのだから、もっともな意見だ。
他方、好きで独身や子どもがいないわけではないと切実な思いを綴る人もいる。
「税という名の罰金みたいだね。婚活うまくいかないでただでさえ辛いのに、そんなん取られたらこれ以上鞭打たんといてってなるわ」
「高い不妊治療して妊娠しなかったけど、それで妊娠しなかったからと更に税金まで取られたら悲しすぎる」
「独身税」は、結婚しない・子どもを持たない自由を侵害する、既婚者と独身者との対立を生むなど問題点が多く、実際に導入されるとは考えにくい。かつて旧ソ連で実施されていたこともあるが、少子化対策の効果も確認されていないという。ただ、少子化が進む現在「こんな税金を取られかねない」という危機感が、どこかにあるのだろう。
扶養控除、子ども手当のほか、”ご祝儀”や”仕事サポート”も独身税?
他方、コメントには、「すでに独身税を払っているようなもの」という声も多数寄せられた。
「控除もないし、子ども手当や保育園無償化など恩恵受けれないので既に独身税払ってるようなもん」
「扶養控除って言い方変えたら独身税じゃね?」
「控除」が多いほど税金を収める額は減るものだが、独身者には「配偶者控除」や「扶養控除」が無く、児童手当や保育、高校無償化などの恩恵もない。独身税という名目こそないものの、比較すれば重い税負担を負っている形だ。
コメント欄には他に、
「結婚や出産のたびにさんざんご祝儀ほぼ強制的に払わされてきたんだから。実質独身税はしっかり払い終わったと思ってる」
「既婚者出産するやつの分も仕事サポートしてやってんのにマジでざけんな」
という怒りの声もあった。
「独身税」は、実際に導入されることはなくとも、話題にするだけで怒りや不平等感を加速させるようだ。結婚や出産は個人の自由のはずだが、”結婚しない、子どもを持たない”という選択や状態が、まだまだ多くの大人に生き辛さを感じさせる世の中ということかもしれない。