キャリコネニュースが11月7日に配信した、年収300万円の50代独身女性の叫び「政治家は底辺の生活を知らない。GOTOトラベル?そんなの出来る訳もない!」という記事が、ネット上で話題となった。記事では年収300万円台の50代の生活状況を伝えているが、中でも都内に住む年収300万円の独身女性の言葉が物議を醸した。
「(政治家は)底辺の生活を知らないから、統計の数字だけで判断しているのでしょう。年収300万未満なんてザラにいるんだから、もっとリアルに稼げるようにしてほしいです」
などと語り、夢も希望もない状況で「GOTOトラベルなど出来るわけもない」と怒りを露わにしていた。ガールズちゃんねるにはトピックが立ち、5000以上のコメントが入っている。多かったのは、「年収300万は底辺ではない」というツッコミだ。(文:okei)
「年収300万なんて女性ならゴロゴロいるよ!」「私なんて200未満だし詰んでる」
年収300万円といえば、手取り額は230数万円で、賞与が2か月分年2回なら月14万円台、賞与なしなら19万くらいだろう。決して多くはないが、トピックには
「年収300万なんて女性ならゴロゴロいるよ!底辺だとは思わない」
「独身で一人暮らしアラフォーだけど、年収300万で貯金できてるし、旅行も行ける。もっと大変な人はいると思う」
といった意見が相次いだ。
また、「私なんて200未満だし詰んでる」「私230万なんですが……ってなってしまった。一人暮らしでそれなりに良い生活してると思ってたけど300万で底辺なのか」などと衝撃を受ける人もいた。「1人で年収300って別に普通に暮らしていくには困らない額」など、ムッとした様子のコメントも多い。お金の使い方を疑問視する人も多く、「50代のバブル経験者は収入が減っても消費グセが治らないから」というコメントもチラホラ。
“都内で年収300万円の独身一人暮らし”という人が寄せた声の多くは、もちろん贅沢はできないが、「好きなもの食べて、たまに遊んで、月給の2割は貯金できている。旅行も行こうと思ったら普通に行ける」など、自由を楽しみ余裕をみせる人も少なくない。それなのに「年収300万円の単身50代女性」が自らを「底辺」と表現したことは、多くの女性の心をざわつかせることになったようだ。
「事実から目をそらして、日本はどんどん貧しくなる」という声も
一方で、「私も一人暮らしで300万円足らずだったけど、最底辺ではないだけで、底辺ではあるよ」など、厳しさに理解を示す人も多かった。
「底辺ではある。私も都内正社員で300ちょいだったけど(中略)常にお金のやり繰り考えてたよ」
など、東京都内なら厳しいとする声も目立った。女性なのでセキュリティーがちゃんとした家を借り、貯蓄や毎月の固定費、医療費、美容院、交際費など考えると、「本当に最低限の生活を送るのが厳しいよ」と綴る人も。生活に必要な額は地域や環境によって異なるし、50代ともなれば老後資金はもちろん親の介護も視野に入ってくる。月々20万円未満で支える生活は、単身とはいえ安心感はないだろう。
男女の格差も気になるところだ。国税庁の統計(2019年)によれば、女性の平均年収は50代前半で320万円、後半は301万円でその後は下降するのみ。一方で、男性の50代は一番給与が上がる時期で、前半が679万円、後半が686万円、実に2倍以上とすさまじい開きがある。男女差だけでなく地域差や正規・非正規の格差もあり、今後男性の収入も、これまで通り上がる見込みのある人ばかりではないだろう。賃金が上がらない不満をもっと訴えるべきという声もあったが、もっともな意見だ。
トピックのコメントには「女性で300万円なら羨ましい」という声がある一方、
「年収300万は底辺ではないなんて事実から目をそらして変に頑張っちゃう人がいるから、日本はどんどん貧しくなる」
という辛辣な批判もあった。
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