あなたは、何かのファンだろうか。趣味で色んなモノ、コト、ヒトを応援してるって人はきっと多いはず。
僕も趣味があるし、その趣味のためにお金を投じる日々を送ってるが、一方で好きなコンテンツはあるけど、自分からお金を落とすことはないって人もいるはず。
たとえばネットでたまたま見かけて応援するようになった漫画家の更新をチェックして「いいね」をするものの、その漫画家の出した本は別に買わない、みたいな。それはそれでファンの在り方の一形態だとは思うんだけど、方や世の中「お金を落とさないならファンじゃないでしょ」みたいな風潮もたしかにある。
果たして、ファンを名乗っていい人間とそうでない人間の違いは、お金を落とすかどうかだけに集約していいものなんだろうか。(文:松本ミゾレ)
「ファンなら活動資金を落として今後の活動につなげる」という人も
先日、ガールズちゃんねるに「金を落とさないファンはファンじゃない?」というトピックが立っていた。トピック冒頭では「最近は、ファンならお金を落として売り上げに貢献するのが当然という風潮が強くなったように感じます」と書いてる。
これに対しての反応をいくつか紹介していこう。
「その通り」
「ファンなら活動資金を落として今後の活動につなげる」
「応援の仕方は人それぞれでいいと思います。お茶の間ファンも立派なファンです」
「金を落とさないライト層も立派なファン。でもやっぱり金を落とすファンがいないと、アイドル、アーティストは食べていけない。金を落とすファンをバカにする人のほうが嫌い」
と、こんな具合。まあ賛否両論だ。
女性の多く利用する掲示板なので、自然とアイドルとかアーティストに対してのファンの在り方、みたいなスタンスからの意見が多いが、これが別のコンテンツであってもそんなに本質は変わらないはず。やっぱりライトなファンもいて、ヘビーなファンもいて、色んな層が応援するほうが盛り上がる。
そこを古参が「にわかはこれだから」とか言い出すと、ガンダムみたいになっちゃうわけだ(笑) お金を落とさないファンを、お金を落とすファンがバカにするのも良くないし、逆もまた然りということか。
違法なコンテンツばかり楽しんで金を出さないのはたしかにイラつくよね
このトピックには、もう一つ面白い書き込みが寄せられていた。こちらを引用させていただきたい。
「熱心なファンを名乗ってるのに、YouTubeで違法アップされたものばかり観てたり、CDやグッズをメルカリで買う人がるけど、ファンと名乗ってほしくない」
これ、結構「分かる~」ってなっちゃう人は多いんじゃないだろうか。僕の周りにも、そういうのがいた。やけにコンテンツに詳しいと思ったら、YouTubeで無料で観れたり聴けるもので満足していて、それだけでなく、定価でグッズも買わない人とかね。
コロナ禍でアーティストも結構しんどい中、オンラインライブとかやってても、そのチケットに一切興味を見せない自称・ファンなのだ。それでいて「〇〇大好き~、毎日聴いてる」とか平気で言ってるのを見ると「お金を出さない奴って、ほんと絶対出さないんだな」って思っちゃう。
よくSNSでバズった漫画が大勢にいいねされて話題になるけど、いざその漫画が書籍になったり映画になったり、ポップアップストアとかになっても、実際にはほとんど誰も見向きもしない、みたいなね。そういうファンが、昨今はちょっと目につくようになったかなぁ。
あとは漫画と言えば、漫画村ね。違法アップロードされた漫画を読みたがる人って相当多いみたいで、お金も出さずに勝手に第三者がアップした漫画を読んで「ファンになった」とか思ってるイタいのも相当いるよね。
残念なことに知り合いにも堂々と漫画村にアクセスしてる人がいたんだけど、本人曰く「漫画にお金出すの恥ずかしい」とのこと。違法アップロードされたものを読んでファンを自称するのと、どっちが恥ずかしいのよ……。
お金を落とすファンが偉いってわけじゃない。お金を落とさないライトなファンもいることがコンテンツの人気を底上げすることもある。
だけどそれって、あくまでもファンを名乗る以上、正規の手段で応援する姿勢が大事になる。
テレビの前で応援することは正しい姿勢で、お金を落とさなくても問題ない。ソシャゲを無課金で遊んでても、まあライトユーザーということだから、それも正しい姿勢だろう。
どうしてもファンって自分たちの中で無駄に序列を作りたがるもの。だけど、大勢でちゃんと一つのコンテンツを応援しているんなら「お金を使ってる人ほど偉い」みたいな妙にギスギスする縛りなんてなくていいと思うんだよねぇ。