取材に答えてくれた同社商品部の担当者によると、開発の背景には「ヒーター内蔵ウェア」の需要が高まってきていたことがあった。ただ、実際にある商品は、作業着やアウトドア向けなどが多く、オフィスワーク時にはデザイン的に使いづらいものも多かったそうだ。そこで、「オフィスワークでも使えるものを作ろう」と取り組み始めたという。
「最初にこだわったのが、スイッチの位置です。胸の位置にスイッチがあると、それだと点灯したときにいかにも、という感じ。そこで、もっとさりげない場所に持っていきました。他にも、キルトの幅を狭くしたり、表面をマットに仕上げたりしてビジネスシーンでも合わせやすくしました」
三段階で変えられる温度設定も、さまざまな利用ケースに対応できるように決めたという。
「朝の通勤時、外に出た瞬間は赤の53度でスタートするのがいいと思います。それで温まってきたら46度にして、室内の暖かい場所であれば37度でいいでしょう。温度は人によって感じ方が違うので臨機応変に対応ができます」
バッテリー持続時間は53度で4時間、46度で6時間、37度で10時間もつそうだ。
昨年は中国、四国地方のみで販売したのだが、一部店舗では売り切れになる人気ぶり。今年は12月1日から全国で販売することになったそうだ。
さて、従来なら通勤時の防寒着に?という感じだったのだが、この燃料費が高騰しているご時世、室内で着る人も増えているようだ。担当者によると「職場が肌寒く感じる人や、家でなるべく暖房を使いたくない人も買ってくれています」とのことだ。
確かにエアコンをバンバン使っていると、もちろん部屋は暖かくなるが空気もやたらと乾燥するし、けっこうな電気代もかさんでしまう。着るこたつのような商品なら、温めるのが「自分の身の回りだけ」なので、エアコンの大きな弱点を克服していそうだ。電気代の請求書をみるたびにげんなりしている人は、さっさと「着るこたつ」に移行したほうがいいかもしれない?