肯定的な意見から紹介すると、
「なんだかんだ活気があったよね。景気も良かったし。今みたいにギスギスしてなかった」
「ネットやらSNSが出来る以前はいい時代だった」
「まさに、サザエさんやちびまるこちゃんの世界観。サラリーマンは終身雇用で、年齢と共に昇進して給料も上がり続ける」
といった感じ。
社会の空気感について、「セクハラもしょーもない冗談もなんだかんだ許されていたし、許せた」と振り返り、「今は子どもの泣き声や、遊び声すら許されない」として、現在のほうが不寛容だと批判する人もいた。
6月21日のワールドビジネスサテライト(テレビ東京)では、昭和を感じさせるレジャー施設を紹介していた。葛飾柴又寅さん記念館にいた、とある若者は「こういう時代に生まれたら楽しかっただろうなと。いまは携帯とか便利すぎる」などと語っていた。
昭和といっても幅広いが、サザエさんやちびまる子ちゃん、三丁目の夕日といえば、高度経済成長期(昭和30年?47年ごろ)のイメージだろう。昭和45年(1970年)の人口ピラミッドは高齢者が少なく20代前半が最も多い。若者がたくさんいることで社会が全体的に元気で、明るく、景気もよかったというのは事実だろう。
「結婚しなきゃ世間の目も厳しいし、戻りたくはない」
しかし、スレッドには、こんな声も相次いでいた。
「男尊女卑が今よりひどい。結婚しなきゃ世間の目も厳しいし、戻りたくはない」
「おじさんと酔っ払いが威張り散らかしてた時代だし今のほうが生きやすい」
「私にとってはいいえ。体罰教師がまだそれほど問題にされてなかったから」
昭和生まれのアラフィフ筆者も、小学生当時は、教師の体罰を当たり前のように目撃していた。この感覚は理解できる。
リアルな昭和の職場はパワハラ、セクハラ、タバコ天国。昭和の末期(1986年)になるまでは、男女雇用均等法もなかった。スマホやパソコン、ネットなど、いま当然のように使っているサービスは存在せず、娯楽の幅も今より限られていた。
結局、映画やマンガの「古き良き昭和」や「昭和レトロ」は、一部の切り取り、美化された架空のファンタジー世界なのだ。もしタイムマシンがあったとしても、そこに戻れるわけじゃない。むしろ、現代の価値観を持った女性が「リアル昭和の職場」にタイムスリップしてしまったら、いちいち腹が立って腹が立って、まるで仕事にならないのでは……。