社会人の6割「どこかに”本当の自分”がいる」――「オフィスに着いても1度も笑わず1日を終える」という人も
リクルートマネジメントソリューションズは10月、職場での「自分らしさ」に関する実態調査の結果を発表した。調査は今年6月にインターネットで実施し、20~59歳の正社員(一般社員・管理職)537人から回答を得た。
「自分らしさ」の捉え方を聞くと、74.4%が「どのような職業に就くかは自分らしさと強く関わると思う」と回答していた。また「どんな場面でも自分らしさを貫くことが大切だ」という人も64.0%いた。
その一方で「人に見られている自分と本当の自分は一致しないと考える」(60.3%)、「意識して自分を使い分けている」(58.8%)、「どこかに今の自分とは違う本当の自分がある」(57.7%)と感じている人も6割程度いる。また「『自分がない』と感じることがある」も48.4%いた。
自分らしく振舞える社員・係長は6割 一方、課長・部長以上は7割
職場で「自分らしく振舞えている」と回答した人を役職別に見ると、「一般社員」(61.4%)、「係長」(63.3%)が6割に留まる中、「課長」(72.4%)、「部長以上」(72.5%)は7割となっている。また職場で「自分らしく振舞いたい」と思っている人は約9割で、役職に大きな差は見られなかった。
自分らしく振舞いたい理由を役職別に見ると、一般社員は「そのほうが、ストレスが少なく楽だから」(59.1%)が最も高く、「仕事を通じて、自己実現をしたいと思っているから」(20.7%)が最も低かった。
しかし部長以上になると「仕事を通じて自己実現をしたいと思っている」(52.8%)が最も高く、「そのほうが、ストレスが少なく楽だから」(27.8%)が最低となっており、一般社員と真逆な結果となった。
自分らしく振舞えないと感じる理由を見ると、一般社員では「職場で自分の考えや意見を気兼ねなく言うことができないから」(35.3%)が最も高かった。課長は「本音や気持ちを素直に伝えることができていないから」(48.1%)、部長以上は「自分の力や強みを発揮できていないから」(36.4%)が高くなっていた。
「上司の望む答えを求められる」「できる人だと思われていてツライ」
「自分らしくない瞬間」について具体的に聞くと、
「上司の前では上司の望む答えを言わなければ理解されない」
「声が大きい人の意見に対して、自分の意見を言えなかった。面倒に感じてしまう」
「オフィスに着いても1度も笑わず1日を終える」
などの対人での場面や、
「会社に適材適所の考えがなく、スキルアンマッチな仕事をさせられている」
「新規事業を短期間で、拡大黒字を押し付けられた」
「お客様第一なので、多少の無理難題を受け止めなければならない」
「できる人だと思われて仕事をふられるのがつらかった」
など、業務上の出来事で障害を感じている人も少なくはない。その一方で「自由奔放さが自分らしさだが、社会人なのでそのような個性は必要ない」という人もいた。同社は、職場で「自分らしく振舞える」状態について、
「抑圧のストレスがなく、存在を尊重されており、自分の感情や意見を伝えられ、能力を生かせている感覚を得られるような状態を指すようだ」
とし、「『自分らしさ』を生かす職場づくりは、多くの人材の眠る才能を開花させることにつながるはず」とコメントしている。
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