日大オープンキャンパス、来場者3割減の学部も アメフト騒動の影響か「文系は、日大じゃなくてもと避ける人少なくない」
悪質タックル事件で話題になった日本大学。広報担当者の放った「日大ブランドは落ちません」という言葉も注目を集めたが、残念ながら受験生のイメージはかなり悪化してしまったようだ。
日本大学が受験生向けに実施したオープンキャンパスの来場者数が減っていることが同大の教職員組合の調査で分かった。
8月24日に発表された調査結果によると、商学部が7月15日に行ったオープンキャンパスには1876人が参加。昨年度の2662人から29.5%減となった。また6月2日に実施した、同学部ミニオープンキャンパスには138人が参加したが、昨年度318人の半分以下となった。
文系学部で減少目立つ一方、危機管理学部、スポーツ科学部などで増加傾向
調査に回答をした10学部の来場者数を集計すると、今年度の来場者は3万5773人。昨年度を合計で7955人下回り、18.2%減となった。
最も減少したオープンキャンパスは文理学部で、昨年度の30.7%減。次いで商学部(29.5%減)、生物資源科学部(25.7%減)、理工学部(8月4~5日開催、25.1%減)、法学部(21.2%減)、経済学部(17.9%減)と続いた。生産工学部(8月4~5日開催、5.3%減)、芸術学部(3.4%減)は1割以下の減少に留まった。
一方、増加したオープンキャンパスもある。理工学部が7月15日に行ったオープンキャンパス来場者は1874人で、昨年度比32.6%増。スポーツ科学部は21.1%増となった。
また今回何かと話題になった危機管理学部も12.4%増となった。この騒動で同学部を知った高校生もいるのかもしれない。また生産工学部(7月15日開催、0.6%増)でも増加傾向となった。なお、今回の調査では回答を拒否した学部もある。
教職員組合担当者は、減少の理由は悪質タックルに関する一連の騒動の影響が大きいとした上で、「特に文系学部の来場者数が減少傾向にあります」と指摘。理由については「文系私大は日大以外にもたくさんあり、『日大じゃなくても』と避ける人は少なくないようです。やはりこのような騒動が起こった時、影響が出やすいのが文系学部ですね」と説明する。
「やはり理事長に責任を取っていただきたい。内部がきちんとしなければ」
理系学部については「この大学でしか出来ないこと、という風に選ぶ人も少なくありません。どちらかと言うと他の大学とオープンキャンパスの日程が被っていると減少傾向になりやすいです」と話す。
現に3割近く減少した生物資源学部の日程は、東京農業大学のオープンキャンパスとも被っており「そちらに流れた人も少なくはないのでは」と推測している。同担当者は「やはり理事長に責任を取っていただきたい。内部がきちんとしなければ」と話していた。
教職員組合は発表リリースで「日大の信頼低下はオープンキャンパスの来場者数の減少にも現れており、入学試験受験者数の減少に繋がる可能性もあり、財務に深刻なダメージを与えることも憂慮されている」と指摘。引き続き「日本大学の抜本的な改革/解体的な出直しと再生」を求めるとしている。