【最新版】自動車・輸送用機器業界の年収ランキング 1位は日産「完全実力主義で達成感ある」、ボーナスは5.8か月分
企業口コミ・給与明細サイト「キャリコネ」は9月19日、「自動車・輸送用機器業界の年収ランキング」を発表した。
本ランキングでは、「キャリコネ」のユーザーが投稿した情報をもとに、自動車・輸送用機器業界に属する平均年収が高い企業をまとめた。
デンソー、「係長以上であれば年収800万円は確保可能」
1位:日産自動車(平均年収694万円)
~海外向けの大型SUV「アルマーダ」などが好調。公正な評価制度を採用~
統一基準によって、全世界の従業員を評価できるグローバル人事システムへの刷新を推進してきた「日産自動車」。口コミでは、「完全実力主義であり達成感はあると思う。年2回の調整があり、自分が設定した目標に対して上司と話し合う。PE2(※)までは成果がなくても8割以上はもらうことはできる」(生産・製造技術/20代後半男性/年収500万円)といった声が寄せられた。
2018年の春闘では満額の3000円相当のベアを回答。年間一時金(ボーナス)は原材料価格上昇や無資格者による完成検査問題の影響もあって3年連続の最高額とはならなかったものの、5.8か月分の満額回答となっている。
※「PE2」は役割等級名
2位:ブリヂストン(平均年収660万円)
~タイヤ業界で2018年より世界No1をキープ。「実績成果主義」の人事評価~
世界150か国で事業を展開するグローバル企業「ブリヂストン」。タイヤでは長年世界シェア1位を保っており、空気が不要なタイヤの開発など、先進的な取り組みも進めている。
報酬に関しては公平な「実績成果主義」を謳っており、「残業規制はあるが、申請分はしっかりと支払われる。総合職の場合は他メーカーと比較しても基準もそれなりに高く、不満はなかった」(技術関連職/20代後半男性/年収525万円)といった声が見受けられた。大卒の初任給は22万5600円です(2017年4月実績)。
3位:デンソー(平均年収625万円)
~2018年の春闘では1500円のベアを回答~
2018年3月期連結決算の営業利益で前年度比約25%の増益。売上高は約5.1兆円を誇る「デンソー」。長年グローバル人材の育成に力を入れており、2016年からは幹部クラスが対象のグローバル共通人事制度を導入。パフォーマンスに基づいて評価を行っている。
「年齢に基づく給与は保障されるなかで、成果に基づき昇格、給与、賞与が決定される。会社全体の給与が高いなかで、結果を出せばしっかり評価がされる」(生産・製造技術/40代後半男性/年収1600万円)、「車両メーカーと比較しても高い。同じ役職でも段階評価でボーナスも多少差がつく。係長以上であれば年収800万円は確保可能」(機械設計/30代前半男性/年収900万円)など、従業員の満足度の高さもうかがえる。
川崎重工業「課長クラスで大体1100~1200万円くらい、部長クラスでは1500万円くらい」
4位:アイシン精機(平均年収620万円)
~自動変速機(AT)などの自動車部品が好調~
デンソー同様にトヨタグループに属する部品メーカーで、2018年4~6月期に過去最高の売上高・営業利益を達成した「アイシン精機」。報酬に関する口コミでは、「特に不満はないです。夜勤手当等はしっかりと出ますし、残業代もしっかりと支給されます。福利厚生もしっかりとしているので、生活の充実度、安定度は額面以上」(技術関連職/20代前半男性/年収400万円)、「特別な事情がない限り、課長までは役職級+年齢で昇給する。手当は通勤手当、会社借り上げのアパートは補助あり」(制御設計/20代前半男性/年収450万円)など、福利厚生についての声も。家具や家電備え付けで無料の独身・単身向け寮も完備し、社員の住宅費負担を大幅に軽減させている。
5位:川崎重工業(平均年収599万円)
~世界初・国内初の製品多数。2018年4~6月期は営業利益の大幅増~
長年船舶、新幹線、航空機などの大開発を手掛けてきた「川崎重工業」。モーターサイクル&エンジン事業などが好調で、”Ninja”シリーズをはじめとしたモーターサイクルは世界で高い評価を受けている。口コミでは、「賃金制度はきちんとオープンになっているので自分の評価ランクがわかり、モチベーションアップに繋がります。課長クラスでは、大体1100~1200万円くらいの年収、部長クラスでは1500万円くらいの年収になります」(生産・製造技術/40代前半男性/年収1100万円)、「管理職になるまでに昇格試験は2回。1回目の昇格試験に合格すれば年収550万円になり、2回目の昇格試験に合格すれば700万円前後になる」(経理/20代前半男性/年収550万円)といった声も。
本田技研工業、「新卒でも年間100万円を超える」ボーナスが出ることも
6位:トヨタ自動車(平均年収590万円)
「査定も年功序列と実績の中間で公正であり、特に不満はない。ボーナスは、特に業績に連動しており、昨今は満足な額をもらえている(※)。ランキング雑誌等で平均年収がさほど高くないのは、大卒以外も入っているからだと思う」
(プロジェクトマネージャー/30代後半男性/年収1050万円)
※2016年度に関する投稿
7位:本田技研工業(平均年収573万円)
「ボーナスの割合が非常に大きく、会社の業績がよいと新卒でも年間100万円を超える金額が出る。また残業時間に制限があるものの、残業代は全額つくので、新卒時でも十分生活できるだけの給与が与えられる。昇給は基本的に年功序列で、管理職になると大きくアップするとのこと」
(法務/20代後半男性/年収450万円)
8位:スズキ(平均年収520万円)
「出向先では寮が完備されていることが多いので、意外とお金はたまりやすいです。別で報奨金制度もあるので、成績が良い人間はやりがいあるかも」
(ルートセールス/40代前半男性/年収510万円)
9位:マツダ(平均年収503万円)
「年齢に関係なく、等級によって給与が決まる制度となっている。若くても成果をあげて昇級することができれば、年齢に関係なく職位に見合った給与を貰うことができる。そのため、成果をあげ、評価を上げようというモチベーションアップにつながる」
(研究開発/20代後半女性/年収550万円)
10位:三菱自動車工業(平均年収491万円)
「基本的には年功序列型なので、年齢を重ねればある程度のレベルまでは出世できる。良い上司に恵まれれば早くして役職に就くこともできる。基本給は徐々に上がっていくが、評価が良い者の伸び率はやや高め。業界水準で見れば、少々少なくは感じるが、大企業ならではの福利厚生は満足できる」
(海外営業/20代後半男性/年収400万円)
調査は、『日経業界地図 2018年版』(日本経済新聞出版社)の「自動車①(国内)」「自動車②(世界)」「エコカー」「自動車部品・タイヤ」「二輪車・自転車」に記載があり、対象期間中に「キャリコネ」に正社員のユーザーから給与明細投稿が20件以上寄せられた企業を対象に実施した。対象期間は、2015年4月1日~2018年3月31日。