管理職の約7割「自分には仕事センスがある」と自信 センスを感じる行動は「社内折衝が上手い」「タスクに優先順位をつける」
産業能率大学総合研究所は1月29日、「仕事センスに関するアンケート」の結果を発表した。調査は昨年11月に実施し、従業員数100人以上の企業に勤務するマネージャー1000人から回答を得た。
「あなたの職場や関連部署には、知識やスキルがあるのに仕事をうまく進めるセンスがないと感じる人はいるか」を聞くと、「いる」と回答したマネジャーは67.7%だった。社会人経験で比較すると、「いる」と答えたのは、社会人7~12年目で45.3%、社会人1~3年目で41.1%という結果だった。
仕事センスを感じる行動とは「痒い所に手が届く」「周囲への根回しができている」
「仕事センス」を感じたエピソードとして、仕事への前向きな姿勢が上がった。
「仕事に対する前向きな姿勢が他の職員の見本となり、職場内が活性化した」(65歳・男性 運輸業)
「面倒事を他人に押し付けずに自ら率先して行う姿勢にセンスを感じる」(28歳・女性 その他)
相手の真意を察する力や先回りする力に関するエピソードも寄せられた。
「報告書やメールの内容に対する質問や補足説明を求めずとも、読むだけで必要な情報、ならびに当人が何をしたいのかが分かる人がいる」(53歳・男性 製造業)
「相手の表情や言葉から真意を見抜くのに長けた人がいる」(59歳・男性 製造業)
「相手の求めることを的確に把握し実現する」(43歳・男性 建設業)
「社内折衝が上手く、事前に同意を得てスムーズに仕事を進めている」(55歳・男性 製造業)
「痒い所に手が届くように先回りした答えが返ってきた」(45歳・女性 卸売・小売業)
また、周囲を巻き込む力に「仕事センス」を感じるという人もいた。
「周囲を巻き込んでテンポ良く仕事を進める人がいる」(41歳・男性 製造業)
「いい意味で遠慮しない、即行動する。周囲への根回しができているから、『周囲にこっちの都合も考えろよ』的な雰囲気がない」(55歳・男性 卸売・小売業)
他にも、情報収集や仕事の段取り力に関するエピソードが寄せられた。
「情報収集のための労をいとわない」(61歳・男性 情報通信業)
「タスクが丁寧にまとめられ、優先順位をつけながら片づけている」(46歳・男性 製造業)
「問題を単純化しポイントを明らかにして取り組む」(62歳・男性 卸売・小売業)
若手社員に磨いてほしい力1位「責任感をもって仕事に取り組む力」
「あなたには仕事センスがあると思うか」を聞くと、最も多かったのは「どちらかと言えばあると思う」(54.2%)、以降、「どちらかと言えばないと思う」(20.5%)、「あると思う」(18%)、「ないと思う」(7.3%)の順に多かった。
「仕事をうまく進めるためのセンスについてどのような認識を持っているか」を聞くと、「社会人になってからでも教育すれば磨くことができる」に「近い」、「どちらかと言えば近い」と答えたのは72.2%に上った。
「入社3年以内の若手社員に、特に磨いてほしいと思うもの」については、1位「責任感をもって仕事に取り組む力」(41.9%)、2位「自分の考えを論理的に伝える力」(34.5%)、3位「目的を明確にして物事を進める力」(30.9%)という結果だった。