ZOZO田端氏のビジネス書「マンガ ブランド人になれ!」 美人OLと身体が入れ替わった田端氏がサラリーマンの奴隷的常識を打ち破る | キャリコネニュース - Page 2
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ZOZO田端氏のビジネス書「マンガ ブランド人になれ!」  美人OLと身体が入れ替わった田端氏がサラリーマンの奴隷的常識を打ち破る

靴メーカーの下請け会社で総務部に所属する美人OLの空野有紀(26歳)は、ある日道端で田端氏と激しくぶつかり身体が入れ替わってしまいます。動揺する有紀ですが田端氏は、「これで俺は本モノの女性目線に立てた!レアキャラだぞ!ブランド人として価値が上がる!」とハイテンション。古い体質である有紀の会社で、猛然と改革を始めます。

つまりヒラの女子事務員になった田端氏が、ぐいぐいブランディングを成功させていき、それに有紀も感化されていくというお話です。

印象的なのが、「私がブランド人に?無理無理無理無理!!!」と怖気づく有紀に対して、田端氏が

「君は『私の人生こんなもの。どうせ、こんなことしかできない』と考えている。洗脳された金魚と同じだ」

と「金魚鉢理論」を説く場面です。

狭い範囲でしか泳げないと洗脳された金魚は、仕切りを取って広くしてあげても狭い範囲でしか泳がない。しかし何も知らない別の金魚を入れると他の金魚も広い範囲で泳ぎ出す、という話です。心理学的には「学習性無力感」といい、サラリーマンの多くは会社という組織に染まり、思考停止に陥っていると指摘します。

その上で田端氏は、就活生や新入社員には、他の社員に気づきをもたらす「何も知らない金魚」を望むと語り、「まだ手垢がついていない新人こそが最強」とまで言い切っています。上司や先輩の過去の話ばかり聞かされる若手にとって、なんとも小気味いい話ではないでしょうか。

各章の終わりには、「まずは何でもやってみろ」「無礼者でかまわない」「売り上げよりもインパクト」といった、田端氏の説く「ブランド人たるもの」の意識改革が詳しく解説され、ポイントがより明確になっています。

女性目線は感じないが、圧倒的な自信と熱量で読者を引っ張る

ただ、「過去に通用した成功体験や価値パターンの多くは、すでに時代遅れなのだ」といった発言は、正論ではあっても無礼とみなされ周囲との軋轢を生みます。

実際の田端氏も、過激なツイートでたびたび炎上するなど、大分お騒がせな側面もあります。ツイッターのフォロワーを「持ち運び可能な資産」と位置付け20万人のフォロワーを誇る田端氏ですが、ネット上では「この人のブランディング、成功しているの?」と懐疑的な声もでるほどです。

確かに本書では、美人OLである田端氏が終始自信に満ちたドヤ顔で嫌みにも感じますし、正直、ストーリーは大雑把で色々と突っ込みたくなります。女性である有紀は、有名になるほど仕事がしづらくなる可能性も考えられますが、常に障害をモノともしないイケイケぶり。本当の女性目線に田端氏が気づいたと思える場面はありません。

ですが、本書はセンシティブなサクセスストーリーではなく自己啓発系のビジネス書です。キャラ入れ替わりの手法を使って、

「どんな凡人でもブランド人にモデルチェンジできる。すべては気構えからだ」

という思いを伝えるものですから、これでいいのです。「ZOZOの田端だからできる」のではなく、しがない町工場の女子社員だったとしても世の中に打って出ることはできる、と分かりやすい形で読者に提示しているわけです。

本書を通して感じるのは、田端氏の「全能感」とも呼べる熱量と「大きな自信」です。人とぶつかること、批判されること、失敗することを怖れない様子は、ホリエモンや落合陽一氏、西野亮廣氏といった時代の寵児とも共通するものを感じ読者を引っ張ります。自身を「凄い人ではない、皆と同じ普通のサラリーマン」とも評する田端氏ですが、やはりその部分は凄いし、世に出る人の特徴とも言えます。

過去の成功体験や古い慣習は役に立たないという見方がある今、本書は仕事に対する若者のモチベーションを上げる一冊となるでしょう。自分にマッチする部分とそうでない部分を冷静に考えて、プラス面を吸収し実行することをお勧めします。

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