「役職はヒラ社員で名前だけ課長の人がたくさん」 名ばかり管理職問題はいつまで続くのか
「劣悪。『名ばかり店長問題』があり、会社は実態を把握しながらも対応を考えていない。監査が入った場合確実に労働基準法に引っかかる」(店長、20代後半、男性、年収306万円)
「あくまでもメーカーの子会社なので出世はほぼ不可能。名ばかり課長や名ばかり店長と言う名の、役職はヒラ社員で名前だけ課長の人がたくさんいます」(ルートセールス、30代後半、男性、正社員、年収480万円)
「主任になると時間外手当が出なくなるので、忙しい部署の社員はすぐに主任となります。名ばかり店長のようなシステムになってしまっています」(総務、30代前半、女性、正社員、年収300万円)
「店長」や「課長」、「主任」という肩書きは名ばかりで、残業代や時間外手当がつかないという口コミが寄せられた。仕事量と責任だけ増えて給料は変わらない「名ばかり」の役職者が、現場で無理せざるを得ない状況に陥っている。
労働基準法が定める「管理監督者」は、経営と一体的な立場と考えられるため、時間外労働や休日労働をしても割増賃金は支払われない。しかし、企業が「店長」や「主任」を「管理職」と定めたとしても、その「管理職」が労基法の「管理監督者」に当てはまる訳ではない。管理監督者の判断は行政通達によって定められているため、役職があることと管理監督者であることは一緒ではないのだ。
企業は管理職を置くなら、適切な裁量と見合った報酬を支払うべきだ。肩書だけ立派、肩書と仕事量だけ膨大で、賃金はほぼ変わらないなどの待遇では、働く側のモチベーションも下がってしまう。
「漫画を読んだり喋ってばかり」肩書と実力が釣り合わない「名ばかり」タイプも迷惑
一方で、肩書きにあぐらをかいて仕事をしない「名ばかり店長」も存在する。
「店長は基本的にレジに出ず、事務所での仕事。気付けば漫画を読んでいたり、スタッフとしゃべってばかりです。他人に厳しく自分に甘いグータラな名ばかり店長が多く、営業所内でも評判はよくありません」(店長、20代後半、男性、正社員、年収280万円)
「大きなクレームが発生しても店舗クラス以上の社員は表にでてこない。名ばかり店長が大多数。末端の仕事のウェイトが増えていく」(店長、30代前半、男性、正社員、年収430万円)
自分に甘く他人に厳しい店長や、クレーム対応をせず仕事を増やす店長など、責任を果たしていない上司に悩む声が寄せられた。こうした上司は「現場のお荷物」的存在だが、役職だけは「名ばかり」で良い地位にいるため、部下の負担が増える一方だ。実力の伴わない「名ばかり店長」こそ、報酬を見直す必要がある。
不当に「管理職」を押し付けられている「名ばかり店長」と、役職に見合っていない「名ばかり店長」。どちらも是正の余地は大きい。
※調査ワード 「名ばかり店長」