レビューには、認知症の親が市販薬を何度も飲んでしまうため中身を入れ替えて使っているといった声が寄せられている。水口代表曰く、「中には抗不安剤などの薬を飲みすぎてしまうと自覚を持っている人が使用することもあります」という。
プラセボ効果を期待してというより、「薬を飲んだ」ということに満足をする人も多いようだ。ネット上では「これを商品化した人のアイディアすごいな。こんな需要があるとは」「病は気からですね」といった声が寄せられていた。
Amazonでは商品発売当初から取り扱っている。水口代表は「Amazonならネット環境があれば誰でも購入できます。この”誰でも買える”を実現したかったんです」と話す。実際売上はAmazonからの購入が圧倒的に多いという。
「制度上、医療現場で取り扱ってもらうことが難しいのが課題」
プラセプラスの主要原材料は低カロリー甘味料としても使用される還元麦芽糖だ。そのため少し甘みを感じるという。水口代表は「苦いほうが薬っぽいのでは?といわれますが、知らずに飲むと薬ではないとは気づきません」と話す。
かつては製薬会社で働いていた水口代表。多くの薬を処方してもらったほうが利益にはなるものの、本当に社会のためになっているのか疑問を抱いていた。偽薬をうまく活用できれば医療費低減に繋がるのではと考え、会社を設立し、「プラセプラス」の販売を開始した。
「偽薬が本当に医療費低減に繋がるのか、実験的なものとして世に出してみました。ただ、認知度が上がっても、やはり医薬品ではありません。制度上、医療現場で取り扱ってもらうことが難しいのが課題ですね」
発売から6年。現状について、水口代表は「まだ利益が出る状況ではありません。今後は商品の改善を続けて売上を立て、より医療現場を視野に入れながら販売を継続できるよう基盤を作って行きたいです」と語った。