これだけもらえる優良企業の社員

上場企業の財務諸表から待遇を探る「これだけもらえる優良企業」シリーズ。今回は、ゲーム事業を中心に展開するグリーを取り上げます。

グリー社員の平均年収は758万円

最新データ（2020年6月期）によると、グリー社員の平均年間給与は758.6万円。2期前には800万円を超えていましたが、それ以降は下がっています。

• 2016年6月期：736.3万円
• 2017年6月期：779.4万円
• 2018年6月期：810.3万円
• 2019年6月期：759.8万円
• 2020年6月期：758.6万円

この額には、賞与や基準外賃金（手当など）も含まれています。

この金額は、例えばパナソニックの平均年間給与754万6379円と同水準。目を引くほどの高さではないと感じられるかもしれませんが、後にあげる平均年齢を考えると十分高いといえるでしょう。

企業口コミサイト「キャリコネ」に投稿された給与明細によると、29歳男性社員の年収は780万円。月給60万円のうち住宅手当が5万円と手厚いのが目を引きます。

定期賞与は年2回で計60万円。このほか「端末補助」が2年間で8万円出るとのことで、投稿者は「大変ありがたい」と書き残しています。

グリーの2020年6月期は、売上高が前期比11.7％減の626億6500万円、営業利益が同42.3％減の31億6200万円でした。

全盛期の2012年6月期には、売上高が1582億3100万円で2020年6月期の約2.5倍。営業利益が827億2900万円で同26.2倍だったことと比べると、事業規模は大きく縮小しています。

2021年6月期第1四半期も、売上高は前年同期比3.6％減と落ち込み。ただし、主要タイトルの周年イベントの反動で広告宣伝費が減少したことにより、営業利益は同35.6％増と大きく伸びています。

グリー社員の平均年齢は35.1歳

次に従業員数と平均年齢、平均勤続年数（ともに単体）を見てみましょう。

グリー社員の平均年齢は35.1歳。ざっくり言うと、30代半ばで750万円ほどもらっている人が多いということでしょうか。

• 2016年6月期：842人（32.8歳・3.3年）
• 2017年6月期：707人（33.8歳・4.1年）
• 2018年6月期：705人（34.1歳・4.3年）
• 2019年6月期：726人（34.6歳・4.4年）
• 2020年6月期：718人（35.1歳・4.7年）

グリーの平均年間給与はパナソニックと同水準と前述しましたが、パナソニック社員の平均年齢45.7歳に対し、グリーは35.1歳と10歳以上も若いです。

このデータもグリー単体のもので、グループ会社は含まれていません。2020年6月期はグループ全体（連結）の従業員数は1,649人で、本体（単体）が占める割合は43.5％。後述する通り、ゲーム事業はグループ会社3社が担っています。

販売実績の77.8％はゲーム事業の「有料課金収入」が占めており、米アップル相手の販売実績が全体の30.8％、グーグルが同27.1％を占めています。

海外展開が進むゲーム事業

グリーの事業セグメントは、財務諸表上は「インターネットメディア事業」の単一事業ですが、有価証券報告書には「ゲーム事業」「広告・メディア事業」「ライブエンターテインメント事業」という区分があります。

とはいえ、依然として8割近くをゲーム事業からあげているのが現状です。

10月には「グリーエンターテインメント（旧ファンプレックス）」が、本体のゲーム事業とライセンス事業を承継。「WFS」「ポケラボ」を加えた3社体制でゲーム事業を強化していくとしています。

ゲーム事業は海外展開が進んでおり、スクウェア・エニックスとポケラボが共同で企画・運営をしているスマホゲーム「SINoALICE -シノアリス-」は世界139の国と地域に配信されています。

「ダンメモ」や「アナザーエデン」は、現地の配信パートナーと協業し主要タイトルの中国展開が進捗しています。

グリーで働きたい人は、本体とあわせて、それぞれの事業を行っているグループ会社のキャリア採用の求人をチェックした方がよさそうです。

—–

無料転職サポートに登録する方はこちら。