上場企業の財務諸表から待遇を探る「これだけもらえる優良企業」シリーズ。今回は、今月14日に東証二部から東証一部銘柄となったブルドックソースを取り上げます。
ブルドックソース社員の平均年収は525万円
最新データ(2020年3月期)によると、ブルドックソース社員の平均年間給与は525.3万円。ここ数期は減少傾向にあり、4期前と比べて68.9万円も減っています。
- 2016年3月期:594.2万円
- 2017年3月期:596.0万円
- 2018年3月期:571.4万円
- 2019年3月期:534.5万円
- 2020年3月期:525.3万円
この額には、賞与や基準外賃金(手当など)も含まれています。
企業口コミサイト「キャリコネ」へ投稿された給与明細によると、大学院卒30歳営業マンの年収は336万円。給与には不満で、450万円もらえないと満足できないとしています。
ブルドックソースのソース市場シェアは25%で、オタフクソースの22%を上回る首位を誇っています(2017年度)。
売上高は160億円台後半が続いていましたが、2019年3月以降は170億円台の乗っています。その一方で営業利益は、2018年3月期の9.6億円から減少傾向にあり、2019年3月期は6.4億円でした。
2021年3月期は新型コロナ禍の影響で、外食機会の減少などの影響があった一方で、家庭用市場や業務用市場での伸びがあり、通期では売上高が前期比3.3%増、営業利益が同17.2%増となる見込みです。
ブルドックソース社員の平均年齢は42歳
次に、従業員数と平均年齢、平均勤続年数(ともに単体)を見てみましょう。
ブルドックソース社員の平均年齢は42.1歳。ざっくり言うと、40代に入って500万円台に乗る人が多いということでしょうか。
- 2016年3月期:183人(43.2歳・18.9年)
- 2017年3月期:187人(42.9歳・18.3年)
- 2018年3月期:205人(41.7歳・17.2年)
- 2019年3月期:220人(42.0歳・15.3年)
- 2020年3月期:220人(42.1歳・15.2年)
ブルドックソース(単体)の従業員数は増加傾向にあり、平均勤続年数も4期前とくらべて3.7歳も短くなっています。とはいえ平均年齢は40歳を超えており、現時点ではベテランの多い会社といえるでしょう。
事業は「ソース類の製造販売事業」の単一セグメント。連結子会社にイカリソース(兵庫・西宮市)とBullフーズ(東京)、サンフーズ(広島市)があります。
売上高の82.8%は「家庭用商品」で、全体の65.9%を占めるソース類(ウスター・中濃・とんかつなど)のほか、ドレッシング類(たれ・ケチャップ等)が16.9%。「業務用商品」は17.2%です。
主要な顧客には「国分グループ本社」(売上高2.9億円)、「加藤産業」(同2.6億円)、三菱食品(同2.0億円)があります。
中途採用は実施せず生え抜きだけ?
ブルドックソースでは働き方改革の一環として「フレックスタイム制度」「フリーアドレス」「ドレスコードフリー」を採用しています。
また「有休取得率70%目標」「年2回のアニバーサリー休暇」「連続5日間の有休取得促進」なども進めているようです。
ただし採用サイトには新卒予定向けしかなく、中途採用求人は見当たりません。社長と常務はともに生え抜きの60代後半です。
2022年には創業120周年を迎え、海外展開を含む「新たなステージ」を目指すとのことですが、新卒生え抜きの終身雇用メーカーという点にやや不安が残ります。
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