年齢・国籍問わず「技術愛」で勝負するシステムアイの中途採用戦略 日本のシステム開発のアップデートを目指して | キャリコネニュース
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年齢・国籍問わず「技術愛」で勝負するシステムアイの中途採用戦略 日本のシステム開発のアップデートを目指して

システムアイの藤田章奨さん(左)と藤岡沙季さん

システムアイの藤田章奨さん(左)と藤岡沙季さん

システムアイは、1996年設立のシステムコンサルティング企業です。金融機関向けの二次請け開発を中心に事業基盤を構築した後、2019年に東証プライム市場上場のSHIFTグループに参画。お客様から直接依頼を受けるプライム案件を拡大して高品質なシステムの開発・提供で大きく成長し、2027年には単体売上高100億円を目指しています。

「日本のシステム開発をアップデートし、DX(Developer Experience)を洗練させる」というビジョンを掲げ、IT業界の変革に取り組む同社は、現在どのようなポジションでどのような人材採用に注力しているのか。HR Science部 中途・企画グループ マネージャーの藤田章奨さんとリーダーの藤岡沙季さんに話を聞きました。(文・構成:キャリコネニュース編集部)

最新の技術やツールをいち早く採用

システムアイ HR Science部 中途・企画グループ マネージャー 藤田章奨(ふじた・たかすけ):2011年株式会社SHIFTに入社。プロジェクトマネージャーやコンサルタントの経験を経てプリセールスに数年従事。2023年よりグループ会社であるシステムアイの中途採用責任者とプリセールス部門長を兼務する。

システムアイ HR Science部 中途・企画グループ マネージャー 藤田章奨(ふじた・たかすけ):2011年株式会社SHIFTに入社。プロジェクトマネージャーやコンサルタントの経験を経てプリセールスに数年従事。2023年よりグループ会社であるシステムアイの中途採用責任者とプリセールス部門長を兼務する。

――御社は現在どのような事業を行っているのですか。

藤田 SHIFTグループの一員として、エンタープライズ領域のITコンサルティングやシステム開発を手掛けています。SHIFTはもともと品質保証やソフトウェアテストを軸に事業を展開してきましたが、積極的なM&Aを通じて、現在はあらゆる領域のITサービスをワンストップで提供できる体制に成長しています。

この中で当社は、特に大型のシステム開発や、技術的に尖っている領域を担っています。モダンな技術や、まだ事例がない最新の技術やツールをアーリーアダプター的に使うのが得意領域の一つです。これもプライム(元請)案件比率が半数ほどを占めており、技術選定段階から案件に参画できる立場にあるからといえます。

日本のシステム開発業界には、事業会社と開発会社との間に大きな構造的課題があります。それは一括で何億、十億円という大型案件であるのにもかかわらず、完成時に初めて支払いが発生することです。そして、少しでも齟齬があれば開発側が持ち出しで対応するという、非常にリスクの大きなビジネスモデルになっています。

この構造のもとでは、システム開発を提案するSIerはおのずと保守的な提案になりがちで、過去に成功が確認されている、いわゆる「枯れた技術」や、ボリュームゾーンの技術の繰り返しが採用される傾向があります。そうした中でも当社は、お客様にとってできるだけ良いアーキテクチャや技術を提案していきたいと考えています。

システムアイの社員数推移(2024年12月末現在)

システムアイの社員数推移(2024年12月末現在)

――現在どのような事業方針を推進していますか。

藤田 2027年に単体売上高100億円という目標を掲げています。当社の今期の売上高は50億円程度の見込みで、2年で倍にしなければなりませんが、事業は順調に伸びており、社員数も375名(2025年7月時点)まで増えていますので、実現は可能と考えています。

2022年には、RGA(株式会社リアルグローブ・オートメーティッド)を吸収合併しました。RGAはKubernetesやAnsibleなどの自動化技術やコンテナ技術の導入・活用を得意としていますが、これらは当社が手掛けている規模の大きなシステムや複雑なエンタープライズ開発において、効率的な運用や管理を実現するために不可欠な技術です。

当社もシステム開発において自動化の提案や導入を積極的に行ってきましたので、RGAの持つ高度な自動化・コンテナ技術と、当社のエンタープライズ向け開発のノウハウは非常に相性が良く、両社の強みを活かしたシナジー効果が生まれていると考えています。

また、お客様の多様なニーズに答えるため、ここ2、3年でサイバーセキュリティコンサルティング部門やWebデザイン専門部門を立ち上げています。昨今はAIを活用したシステムやアプリケーションの引き合いも増えており、知見のある人材を積極的に採用したり、社内勉強会を開くことで対応できる体制を整えています。

いい意味での「技術オタク」「開発オタク」を歓迎

――昨今AIの影響についてよく語られますが、御社事業にも影響がありそうですか。

藤田 最近まで「AIに代替されるのはエンタープライズ開発のボリュームゾーンではないか」と考えていましたが、現在はむしろ逆だと感じています。小さく新しい技術を使ってなんとなく動くものを、非エンジニアがUIやUXを含めてパッと作るような部分は、すでにAIに代替され終わった感があります。

一方で、例えば銀行の勘定系システムなどは、ステークホルダーも非常に多く、AIが全てを決めることができません。複雑なステークホルダーの中で様々な意思決定がなされ、規模も大きく言語化されていない業務もある領域は、想定とは逆に現時点ではそこまで代替が進んでいない状況です。

したがって、当社が取り組んでいるミッションクリティカルでエンタープライズな、世の中のインフラを担う重要なシステムの開発案件は、引き続き事業機会があると感じています。

従業員の87%をエンジニアが占める(2024年8月末時点)

従業員の87%をエンジニアが占める(2024年8月末時点)

――現在どのようなキャリア採用に注力していますか。

藤田 大規模システム開発のプロジェクトマネジメントができる人材の採用は、常に重要な課題としてあがっています。もうひとつは、技術面が複雑で難しくモダンな技術を一人で検討し課題解決できる、技術的なレバレッジが効かせられる人材です。この2つのタイプの人材については、この領域を目指す若手や中堅層も含めて、コストを投下してでも採用していきたいと考えています。

なお、エンジニアは「フルスタックエンジニア」という名称で求人を出しています。SEやフロントエンジニアという形で線を引かず、一人でアプリケーション全体を語れるようになりたい、作れるようになりたいというモチベーションの人を採用しています。

背景には、当社がITコンサルティングとしてお客様の課題を分析し、技術選定段階から参画できる体制を持っていることがあります。単なる下請けではなく、お客様の課題に応じた最適な技術選定とオーダーメイドの提案ができる立場にあります。

そのような中で、当社はお客様に対し、最適なソリューションを様々なドメインで、毎回異なる技術を提案するようにしています。したがって、特定の技術に固執するのではなく、プロジェクトに応じて最適な技術を選択し、それを一人称で扱えるエンジニアを求めています。

その意味では、新しい技術の研究や試行錯誤を趣味のように取り組んでいける、いい意味での「技術オタク」「開発オタク」のような人は、当社との親和性が高いと思います。これは若手からシニアまで、年齢は関係ありません。

職務経歴書に「技術の各論」を書ける人は親和性が高い

――御社のエンジニア採用において年齢は関係ないのですか。

藤岡 一般的には「35歳エンジニア定年説」とも言われ、30代中盤を皮切りに、マネジメントにシフトしないと給料が上がらない、昇格しないという会社も少なくありませんが、当社はそのような考えを持っていません。

当社には「エンジニアリングラダー」という給与制度があり、技術職の道で突き進んだ先に年収2000万円までいく道があります。もちろん、マネジメントにシフトしたい人にはそちらの道も用意しており、どちらに進んでも平等に評価されるのが当社の特徴です。

特に、技術が大好きで大手企業に入ったけれどマネジメントしかさせてもらえない、と不満を抱いている方は、当社に入って活躍してくれている傾向があります。

システムアイ HR Science部 中途・企画グループ リーダー 藤岡沙季:大学卒業後、IT企業にて人材営業と新卒採用担当を経験し、2021年にシステムアイ入社。入社後は新卒採用を中心に社内企画や本社のオフィス移転、大阪オフィス増床などを担当。現在は中途採用にて年間100名のITエンジニアの採用を行う。

システムアイ HR Science部 中途・企画グループ リーダー 藤岡沙季:大学卒業後、IT企業にて人材営業と新卒採用担当を経験し、2021年にシステムアイ入社。入社後は新卒採用を中心に社内企画や本社のオフィス移転、大阪オフィス増床などを担当。現在は中途採用にて年間100名のITエンジニアの採用を行う。

――具体的にどういったタイプの方が活躍される傾向がありますか。

藤岡 当社と親和性の高い方は、職務経歴書の書き方でも分かります。プロジェクトで使われている技術を細かく記載されていて、「○○の大規模プロジェクトでマネジメントを担当」といった概要だけでなく、「KubernetesとAnsibleを使ったコンテナオーケストレーション環境で、React + Node.jsによるマイクロサービス構成を設計・実装した」といった技術の各論がちゃんと書いてある方です。

採用側も「大規模マネジメントの経験がある」だけで判断するのではなく、プロジェクトの具体的な技術内容への解像度の高さを重視しています。前職では技術力があるのになかなか評価されていなかった方でも、当社では持っている技術的な素養の高さを発揮していただける可能性が高いのではないかと考えています。

――人材獲得競争が激化する中で、候補者が御社の内定を承諾する決め手はどのあたりにありそうですか。

藤岡 一番多いのは「やりたい事ができる」というキーワードです。大手企業だと、縦社会で業務が細分化されて部分的な仕事しかさせてもらえないとか、上が詰まっていて自分も昇格できないといった不満があると思うんですが、成長中の当社では「これやりたいです」と手をあげれば柔軟に調整できます。チャレンジ欲のある人たちには、こういう企業風土が魅力になると思います。

あとは「人の魅力」ですね。代表の葛川敬祐やCTOの緒方聡は根っからの技術オタクで、人で惹きつけるところがあります。「代表とこんなに技術の話ができる会社は他にはないですね」と言っていただくことも多いですし、緒方も葛川が以前書いていた技術ブログから興味を持って入社してくれた人です。そういう技術への愛情と理解が深い経営陣がいることは、技術者にとって大きな魅力になっているようです。

外国籍の社員が2割。日本人エンジニアへの好影響も

――働く環境づくりについてはどう取り組んでいますか。

藤岡 出社の要否は携わる案件によって変わりますが、リモート案件でも「出社したいな」と思ってもらえるオフィス環境を心がけています。これはコロナ禍で地方採用を積極的に行った結果、出社する場所がない人が増えたことへの対応でもあります。特に一人暮らしの社員は、一日中話す機会がなく孤独を募らせてしまう状況がありました。

そこで、気軽に出社して他の社員とコミュニケーションを取れる場を会社としてしっかり用意していきたいと考え、横浜本社に加えて、東京、福岡、大阪、静岡に拠点を作りました。当社は、全国各地でのリモートワークやフルフレックスタイム制度など柔軟な働き方が可能であり、出社必須ではありませんが「今日は誰かと話したいな」と思ったときに気軽に使える場所としてオフィスを機能させたいと考えています。

本社は、みなとみらい地区の横浜ランドマークタワー14階にあります。眺望も良く、働く環境としては申し分ない立地です。オフィスには多様なバックグラウンドを持つメンバーが集まっていて、中国籍のエンジニアが最新のKubernetes技術について議論していたり、66歳のベテランエンジニアが若手に業務システムのノウハウを教えていたりしています。

リフレッシュエリアで卓球を楽しむ社員

リフレッシュエリアで卓球を楽しむ社員

――外国籍の社員も多いようですね。

藤岡 現在社員の約2割が外国籍で、国籍は20カ国以上にのぼります。これは2、3年前から積極的に取り組んできた結果ですが、日本の人口が急速に減少し、IT人材不足が深刻化する中で日本人だけにとらわれていたら採用が難しくなるという危機感によるものです。

加えて、IT業界ではモダンな技術の情報は英語で書かれることが多く、外国籍の方はキャッチアップ力が非常に高い印象を持っています。これまでの採用実績もあり、多くの外国籍ITエンジニアから積極的に応募をいただいています。昇格などに国籍での差別はなく、中国籍の部長職もいます。

日本人社員も、外国籍のメンバーと一緒に働くことで、英語の技術文書に触れる機会が増えたり、海外の最新技術動向について生の情報を得られたりと、技術者としての視野が格段に広がります。「仕事で英語を使いたいからこの会社に入ってみた」というエンジニアもおり、採用の相乗効果もあると感じています。

また、若手社員だけでなく、50〜60代のシニア人材が活躍していることも当社の特徴です。当社は2024年に定年を65歳から70歳に延長しており、最高66歳の方が活躍されています。シニアエンジニアからは、長年の実務経験に基づいた深い洞察やレガシーシステムとの付き合い方など、書籍では学べない実践的な知識を学ぶことができます。

まさに年齢・国籍を超えた社員が「技術への愛情」という共通言語でコミュニケーションを取る交流が日常的に行われています。これは他の会社ではなかなか体験できない環境だと思います。

「技術者の成長への投資は惜しまない」が基本スタンス

――キャリア入社組の活躍を支援する研修制度などはありますか。

藤岡 将来のプロジェクトマネージャー候補を育てる「チョットデキル研修」を週一回実施しています。人事の教育担当がメインとなり、代表も講師として参加しています。

資格取得などのリスキリング支援も充実しています。現在当社では、会社全体として100を超えるAWS認定資格を持っていて、今年中に300を目指しています。資格の難易度に応じた報奨金制度もあり、高いものだと数十万円が支給されます。

社内勉強会の様子

社内勉強会の様子

「技術者の成長への投資は惜しまない」というのが当社の基本スタンスで、Udemyなどのオンライン講座や書籍代は上司の許可があればすべて会社が負担しています。外部研修やカンファレンスへの参加費用も会社負担で、勤務時間内での研修受講も可能です。社内でもエンジニアが自発的にお互いのリスキリングを助け合う文化があり、社内の講師役のもとに部署を超えて社員が集まる勉強会が定期的に開かれています。

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