「私の実名を載せて”探しています”とツイートしていました」変な同僚男性につきまとわれて、退職に追い込まれた女性
長崎県の30代前半の女性(事務・管理/年収150万円)は、新卒で入社した会社で恐ろしい目に遭ったことがある。他部署にいた男性社員から、執拗に好意を寄せられたのだ。女性はその男性社員を一目見たときから、なんとなく悪い予感がしていた。
「周りから見ればとても良い人と言われていた方ですが、ただ私は、初めてその人を見た瞬間に気持ち悪さを覚えて、生理的に無理となってしまい、極力近づかないようにしていました。昔から何か持っている変な危ない人に対してだけは、オーラというものか説明しにくいのですが、モヤが見えておりました」
本格的に女性が身の危険を感じたのは、自宅近くの行きつけの飲食店に、その男性社員が入ってきたときだった。(文:福岡ちはや)
「断ったら大変なことになりそうという恐れから、一緒にカフェに行くことになりました」
店に入ってきた男性社員に気づいた女性は「なぜ?」と身構えたが、そのときはまだ何も起こらなかった。しかし、後日1人でその店に行くと、店主から思いもよらない言葉をかけられてしまう。
「『彼氏と遠距離でうまくいかないだろうから、○○さん(男性社員の名前)と付き合えばうまくいくんじゃない?』と言い出したのです。(中略)私は驚愕しました。もちろん私は『彼とうまくいっていて興味はありません』と言い切りましたが、それでも結構しつこく言ってくるのです」
女性が「これはひどいな」と困惑していると、そこへ示し合わせたかのように例の男性社員が店に入ってくるではないか。
「声をかけられ、私は当たり障りなく接しました。そして店主から『あの店に行ってみなよ』とカフェを紹介されたのですが、もちろん私の気分は乗りません。早く出ていこうと思っていました。ただ、仕事で今後不利な立場に立たされるのは嫌という気持ちと、この場で断ったら大変なことになりそうという恐れから、(カフェへ)行くことになりました」
しかし、この判断が間違いだった。女性は「『そこで勇気を持って断っていれば』と後悔することとなりました」とこぼす。
自宅にも襲来「すみませーーん!○○さんいますかー!?」
女性はカフェで男性社員と当たり障りない会話をしたあと「予定がある」と嘘をついて家路に着いた。ほっとしたのも束の間、女性が男性社員に教えられたSNSを確認すると、そこには次のような鳥肌ものの内容が投稿されていたという。
「先ほどは若い女の子(女性のこと)とデートした!すごく楽しかった!また会いたい!」
「(女性のイニシャル)さん、愛してます!」
男性社員のSNSは毎日数十回にわたり投稿され、内容も日に日にエスカレートしていく。精神的に参ってしまった女性は、病院で抑うつの診断を受けて休職が決まり、1人暮らししていた物件を引き払って実家へ帰ることに。これだけでもいい迷惑なのに、女性が荷造りをしているときにも事件は起きた。
「荷物の運び出しを両親にお願いして、両親がいない間にドアチャイムが鳴ったのです。(中略)『すみませーーん!○○さん(女性の名前)いますかー!?』ドンドンドン(ドアを叩く音)!恐る恐る覗き穴から覗くと、男性社員だったのです。家も教えていなかったのですが、もしかしたら後をつけて、部屋番号については郵便ポストを漁っていたのかもしれません。私は怖くなり、(男性社員が)いなくなったのを見計らい、トイレに逃げました。その1時間後、またやってきました。そのまた1時間後にも……。さすがにもう無理だと思い、警察を呼びました」
しかし、女性が警察に一部始終を話しても、「危害を加えられていないため、どうしようもない」と返されるばかりだった。
「とりあえず実家に帰り、その男性社員に『無理です。やめてください』という内容のDMを送りましたが、返信はなく。何をしでかすかわからないため、SNSを監視していました。するとTwitter(現X)に私の実名を載せて『探しています』とツイートしてありました。もう無理となった私は退職を決意しました」
退職手続きの際、女性は今までの経緯を会社に説明した。すると会社から男性社員に事実確認が行われたのか、男性社員のSNSには逆上した内容が投稿されたそうだ。
「『許せない……』と最後に一言ツイート。その後すぐにDMが来ました。『俺、仕事辞めてそっちに行くからさ。よろしくね』との内容。私は再度、無理である旨と遠距離恋愛をしている彼と結婚する(嘘)と伝えたあとに、男性社員のアカウントをブロックしました。その後どうなったかは知りません」
現在、女性はなんとか抑うつ状態からは立ち直ったが「本当にすぐに退職したため、転職活動は不利になり、今でも(影響を)引きずっています」と憤る。そして、
「勇気をもって断ることは大事だと、痛感させられたできごとでした」
と投稿を括った。女性に落ち度は一切ないが、やはり変な人から自衛するには“関わらない”を徹底するのが一番なのかもしれない。
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