1都3県を皮切りに発令された、2度目の緊急事態宣言。しかし依然として新型コロナウイルス第3波の感染拡大が収まる気配になく、今回の発令に前回ほどの効果は未だ見られない。
企業の中には “コロナ慣れ”が出てしまっているところもあるという。神奈川県の40代男性キャリコネニュース読者は、
「コロナで時短要請が出ていても、まったく無視の会社。出社しても暇だから有休申請で何とかリスクを軽減しようと試みた。すると上司から『この時期に有休申請とは何事か」と罵声。あまりにもバカバカしくなり、結局のところ職場を辞めた」(サービス系)
といった声が寄せられている。今回は首都圏で働く人のリアルな新型コロナウイルスにまつわる退職エピソードを見ていこう。(文:鹿賀大資)
在宅を提案すると「お金がかかる。スキルもない。慣れることが難しい」
30代男性(専門コンサル系)が元勤務先を退職した理由は、コロナ禍における社員の安全より、業務を優先させた上司がいたことだ。その職場では「若者は感染しても大丈夫」とコロナ対策を一切取らずに通常出社を命じていたという。
「緊急事態宣言中も、いつもと変わらずの出社。オフィスには消毒薬もパーテーションもなく、狭い会議室に10人以上が集まって長時間の会議。マスクしている人も、ほとんどいない。しかも『マスクは外して』と言われる」
男性には持病があり、上司に直接、コロナ対策強化の旨を伝えたという。しかし上司は「気にしすぎだ」と聞く耳を持たず、それが退職の決め手になったとのことだ。
一方、辛うじて職場に踏みとどまっているものの、もう限界の状況にある、という声も寄せられている。不動産・建設系の会社で働く30代女性は、コロナ禍の中でもフル出勤させる環境に嫌気が差し、退職を決意した。
「会社はITスキルのなさを隠し、正当化しているだけ。在宅勤務化に向けた仕組みづくりを一切しないため、一向にテレワークが実現しない。その提案をすると『お金がかかる。スキルもない。慣れることが難しい』などと否定される」
それにとどまらず、その会社では「顔を合わせる仕事を標準化している」とのことだ。会議一つにしてもこのご時世にWEB会議で打合せではなく、対面で行っているのだろう。女性が呆れるのも無理もない。
今回のコロナ第3波、およびに緊急事態宣言下では、女性と同じように苦しむ社会人が増えていきそうだ。会社、ひいては国には迅速な処置が求められる。
※キャリコネニュースでは引き続き「新型コロナで退職を決意した人」や「テレワークで快適なこと・つらいこと」などのアンケートを実施しています。