360度評価に対する不満「結局好き嫌いで判断される。好感度アップアピールに嫌気」 | キャリコネニュース
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360度評価に対する不満「結局好き嫌いで判断される。好感度アップアピールに嫌気」

360度評価、実際どう?

360度評価、実際どう?

対象者の人事評価を上司、同僚、部下などが行う人事評価制度である「360度評価」。立場の違う複数の人が評価を行うことで、評価の公平性が上がり、従業員のモチベーションが上がる効果が期待できる、というメリットがあるとされています。リクルートマネジメントソリューションズの調査によると3割以上の企業が導入しています。

一方、現場では「結局好き・嫌いで判断される」「全員が敵に見えた」となってしまうパターンも。メリットが多く見える360度評価ですが、実際は諸刃の剣で、使い方を一歩間違えると社員同士の忖度や談合が横行し、辛辣なコメントを書いた人物を疑い続ける人狼ゲーム状態になることもあります。

今回は、360度評価の裏側で起きている現場のリアルを紹介します。(文:藤田里加)

「誰もがとにかく周りから嫌われないようにと必死」

女性向け掲示板「ガールズちゃんねる」の「人事評価が苦手・へこむ・辛い」というスレッドに、「以前勤めていた会社で360度評価を取り入れていた」という書き込みがあります。

コメント主によると、よく知らない人まで評価せねばならず、印象や好き嫌いで判断され、評価時期には媚びが横行しており、最終的に退職したといいます。

「評価期間は好感度アップアピール、派閥を作ったり、部下がミスしても一切怒らず、誰もがとにかく周りから嫌われないようにと必死でした」

360度評価の運用が表面的になってしまうと、厳しい評価を避けようと上司が部下に注意しなくなったり、媚びや談合が生まれたり、組織や制度が機能しなくなることがあります。

匿名性で「辛辣なコメントを書かれ全員が敵に見えた」

同スレッドには、「匿名性の360度評価で辛辣なコメントを書かれ、疑心暗鬼になってしまった」というコメントもいくつか寄せられていました。

「私も前に360度評価の会社に勤めてて、最低な結果だった時は同僚が全員敵に見えた」
「360度評価は凹む。私は人事で他の方の評価も見れてしまうけどどんな優秀な人も妬まれて攻撃されたり重箱の隅を突かれている」

匿名性の360度評価を採用している場合、誰が書いたかわからないので、常に人を疑ったり、わざと悪い面を切り取って改善点を指摘したりと評価が社員のモチベーションを下げる原因となることもあります。

360度評価で社員のモチベーションを上げるには、現場の意見を吸い上げ、方針に沿ったルールを設けるなど運用を常に改善していく必要があるでしょう。

ポイントは「具体的なエピソードを記入」 納得感のあるフィードバックに

人事の経験や評価の知識がない社員にとって、部下や同僚の定性的な評価は難しいもの。評価者研修を全員受けているのなら良いかもしれませんが、実際はそこまで教育がいきわたっていない企業も多いのではないでしょうか。

評価の知識がない社員がいきなり他者を評価しようとすると、印象や好き嫌いでの評価になり、人格や能力の話になってしまうことが多く、人材育成につながらない原因にもなります。

納得感のある評価をするためには、抽象的な指摘だけではなく具体的なエピソードを記入するのがよいでしょう。上司と評価面談の時、そもそも改善すべき点なのか、改善するならどういう方向性で改善した方がいいかを話し合えるようになります。

方針に沿ったルールを設けず運用すると、うまく機能しない可能性もあります。導入の意図に沿った制度となるように、現場のリアルな実態をヒアリングしながら、自社に合った運用が必要です。

【筆者プロフィール】藤田里加 新卒で大手メーカーに入社し、新卒採用を担当。現在はベンチャー企業で働き、副業としてWebマーケティング・ライティングを行っている。2020年12月より(株)STORY CAREERに参画。HSP気質を持ち、「働く上でのメンタルヘルスケア」を主なテーマとしている。

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