「プライベートをおろそかにする時代」の方が異常でしょ!? 日テレ・行列の「ゆとり特集」に若者ウンザリ
5月17日放送のバラエティ番組「行列のできる法律相談所」(日本テレビ系列)で特集された「ゆとり世代」批判がネット上で物議を醸している。
この日のタイトルは「私ゆとり世代に怒っていますSP」。番組ではゆとり世代を、2002年から2011年まで実施された「ゆとり教育」を受けた世代と定義。明治大学の齋藤孝教授が、ゆとり世代の特徴を紹介した。
あげられたのは、「怒られるのが嫌、打たれ弱い」「指示通りに動くが、自分から動くのは苦手」「上司との酒はきっぱり断るなど、プライベート優先」という3つのポイントだ。
永作博美さんも「妙な堂々さがあって気味が悪い」
続いてゲストが、ゆとり世代に「許せない」と感じたエピソードを語った。俳優の佐々木蔵之介さん(47)は、男性マネージャーがゆとり世代。一緒に居酒屋に行った際に「冷酒」を注文してくるよう頼んだら、日本酒を水で割ったものを持ってきた。
知らないものは間違えても仕方ないが、佐々木さんが驚いたのは、「僕、冷酒なんて飲まないから知りませんよ」とあっけらかんと言われたことだったという。
女優の永作博美さん(44)も、ゆとり世代について「自分から動かない若者は多いです。妙な堂々さがあって、少々気味の悪いことがあります」と感想を述べた。上の世代からすると、注意されても悪びれないところに違和感を抱くようだ。
フリーアナウンサーの吉川美代子さん(61)は、アナウンススクールでゆとり世代の生徒を教えたときのことを明かす。本を読むか聞いたところ、誰も読まず「字が多いの途中で諦めちゃって」と言われた。新聞を読む生徒もおらず、閉口したという。
さらに吉川さんは、ネットの情報を頼りにする最近の風潮を批判。口コミで人気の店に並ぶ若者を見ていると、「それ本当に美味しいと思ってるの?」と疑問に感じるのだという。
番組の打ち合わせの際に、吉川さんの略歴に内容に誤りがあったので指摘したら「ウィキペディアに書いてあった」と反論されたという。こうした若者を見ていると、「大変な局面のときに自分で判断できるのか」と感じるのだそうだ。
「全共闘が全国規模だったとかマジ異常」と反発
番組は1時間のほぼ全編を「ゆとり世代批判・嘲笑」に使っていたが、ネットではこれに反発する声が続出した。
「『ゆとり世代』をひと括りに馬鹿と分類すんな」
「一部のゆとりを晒しあげてあたかも全員がそうみたいに見せてるようなないような……そしてそれを叩いて詰め込み世代の自分は凄いみたいな優越感に浸ってる感じ」
齋藤教授があげた特徴も、これまで「怒られるのが好き」「指示通りに動かず自分で動く」「プライベートをおろそかにしていた」とすれば、そちらの方が異常だと批判する人もいる。本や新聞以外に無料で読める媒体が新しく登場すれば、そちらに流れるのも当然だ。
ネットの情報を頼りにして「自分で判断できない」という吉川さんの主張に対しても、「今の若い世代よりも中高年の方がTVとかの話題でむっちゃ流されまくってた印象」と反論が出る。「全共闘が全国規模だったとかマジ異常」というのだ。
女性誌の「アンアン」が創刊されたのも1970年。ファッションなどに与える雑誌の影響はいま以上に大きく、横並びだったはず。今の世代の方が、多様で影響を受けにくい。
ゆとり世代を批判して上の世代が溜飲を下げるような番組が作られるのは、テレビの主要視視聴者層が中高年であるということの証拠、という見方も。「ゆとり叩き番組放送しといて『若者のテレビ離れ』とか渾身のギャグですね」という書き込みも寄せられていた。
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