解約できない!サブスクの罠 消費者をおとしいれるダークパターンとは
インターネットを使って買い物や各種サービスを利用するのが当たり前になった現代。最近ではサブスク(サブスクリプション)が流行していますね。登録自体はものの数分で完了するので、あまり深く考えずに登録してしまう人も多いと思います。
でも、ちょっと待ってください。そんなに簡単に登録してしまって本当に大丈夫でしょうか。そこには思わぬ罠が潜んでいる可能性があります。今回は便利でお手軽に登録できるサブスクに潜む”ダークパターン”についてお話していきます。(株式会社オレコン 星夢人)
解約するのにわざわざ電話、というケースも
ダークパターンという言葉が生まれたのは、今からおよそ11年前。2010年頃に、イギリスのデザイナーのハリー・ブリヌル氏が名付けたのが始まりです。そしてダークパターンを一言でいうと、”消費者を不快にさせ、不利益をもたらすWebサイトの設計や表記”のことです。
当時はデザイナーや研究者を中心に話題となりましたが、一般に認知されるほどではありませんでした。そして現在。11年の時を経て、世界各国でダークパターンについての取り締まりが強化されつつあります。
今回は大手サイトもやっているサブスクのダークパターンを例にご説明しましょう。そのやり口は単純で、”登録は簡単なのに解約するのがめんどくさい”というものです。登録だけは簡単でわずか数タップ、数クリックで済むのに、解約するには以下のようなめんどくさい仕様になっています。
・まずはお問い合わせフォームから問い合わせをしなければならない
・解約するのにわざわざ電話をしなければならない
・継続のボタンを目立たせて、解約のボタンを見にくくしている
・画面を1番下までスクロールしないと解約ボタンが出てこない
・アンケートで一定以上の文字数を書かなければならない
などなど。もっとひどいケースで言えば、解約するためのページに行くと「ただいまメンテナンス中です」や「お探しのページは見つかりませんでした」などのエラーメッセージが表示されることも。解約がめんどくさいどころか、解約できないような仕組になっているサイトさえあるのです。
私も上記の「解約するのにわざわざ電話しなければならない」というダークパターンに引っかかったことがあります。電話するまでは非常に気が重くめんどくさかったのですが、解約自体はすんなりできたので良かったです。
ダークパターンは長期的には破綻する
ユーザーからするとダークパターンは迷惑でしかありません。SNS上には「解約したいのにできない」といった投稿はすでに多くあります。それに加えて、ダークパターンという言葉が今以上に広く認知されたら、「#ダークパターン」というタグを付けられて拡散され、トレンド入りまでしてしまうかもしれません。
我々、消費者側ができることは、どのようなダークパターンがあるかを知っておき、それを回避できるようにしておくことです。そして企業側は、ダークパターンが認知される前に、現在のサイトの設計や仕組を見直すべきです。
ダークパターンは短期的には結果が出るかもしれませんが、長期的に見たら確実に破綻してしまいます。「解約の仕方がわからないぞ……」となったら、それはビジネス破綻への序曲とも言えるでしょう。
【プロフィール】株式会社オレコン 星夢人
ライターとして、求人広告原稿、金融・情報系のメルマガやAIやRPAなど、様々なジャンルを執筆してきた。現在もライターとしてダークパターンをはじめとし、多岐にわたり活動中。 株式会社オレコン