会社を辞める際に上司や同僚に嫌味を言われたとしても、気に病む必要は無いだろう。東京都に住む30代男性は
「辞表を提出する時に、同席していた事業責任者から『こんなに短期で辞めるなんて君はどうしようもないクズだな』と言われました」
と明かす。2018年に、通販事業会社のバイヤーとして「そこそこの実績を持って」入社したというが、わずか5か月で退職した。一体何があったのか、編集部では男性に取材を申し込み、詳しく話を聞いた。
責任者から「あからさまなパワハラがスタート」
当初聞いていた職務内容は、商品の買い付けだけでなく自社商品の開発や予算管理などを幅広く行う仕事だった。ところが働き始めると面接で聞いていた職務内容とは違っていた。
「実際の業務は出品者である顧客のフォロー。プラットフォームの使い方を教えたり、送り状の遠隔手配をしたり、といった仕事がメインでした。しかも、定期的にリアル会場を借りて開催されていた叩き売りセールへ駆り出される始末です」
これではせっかくの経験と実績が活かせない。不満を感じた男性は面接も担当していた事業責任者に説明を求めた。ところが
「『そんな話をした覚えはない』としらを切った上、翌日からは共有事項を私にだけメール送信しないなど、あからさまなパワハラがスタートしました」
この責任者はかなり意地悪な人だったようだ。
こんなこともあった。男性の前職企業の配送トラックを見かけた直後、一緒にいた新卒女性社員に
「あんなクズみたいな仕事に就かなくて良かったね。ああいう仕事はうちみたいな大企業に入れなかった人間がするもんだから」
と言ったというのだ。もちろん、男性がその会社で働いていたことを知った上での発言だ。
それでも男性は「家族のためすぐに退職をするわけにはいかない」と、数か月我慢を続けた。しかし
「娘の初めての学校行事のために、有給を取得する旨を1か月前から伝え、総務の許可も降りていたのに、当日の朝になって事業責任者に『許可していない』と大激怒されました」
またしても嫌がらせとしか思えない妨害だった。男性はさすがに耐え切れず、「その日のうちに妻に退職の意向を伝え、午後には辞表を書いて会社へ提出しに行きました」と即行で辞めることを決断した。
「君はどこに行っても大成しない」 → 年収4倍に
この責任者はかなり口が悪い人物だったようで、辞める間際まで酷い嫌味をぶつけてきた。最後の面談時には、
「こんなに短期で辞めるなんて君はどうしようもないクズだな」
「君はどこに行っても大成しない」
「時にはイメージと違う仕事もあるんだから、一々口答えするな」
などと、繰り返し言われたそうだ。
退職した男性は、「翌々日には退職を聞きつけた同業他社がFacebookなどのSNS経由で接触してきたため、そのうちの1社にダウンタイムなく入社することが叶いました」と順調に次の仕事が決定。しかも、その後は「心の衛生面も生活面も結果的には裕福になることができた」と明かす。
「転職後、約4年のうちに事業責任者に就き、年収も当時の約310万円からおよそ3倍に増えました。またその数か月後の現在は独立して会社経営に着手し、年収もお陰様で1200万円を超え、あの頃からさらに約4倍増とすることができました」
退職間際に受けた暴言はまったく的外れだったのだ。なお、その問題の責任者について男性が同業のツテで聞いた話によると、
「当時の責任者は私の退職後に大手老舗企業に転職したものの、実力が伴わず干されてしまい、下請け子会社へ出向したようですが、そこでもうまくいかず業界から去ったと聞いてとても痛快な気分です」
とのことだった。
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