働いていれば「会社辞めよう」と思うことはある。理不尽な転勤や待遇がきっかけになることは多いだろう。福岡県に住む30代の男性( 技能工/年収450万円)は、かつての勤務先で、転勤を命じられたことがある。
「工場長から『保全マンの勉強として本社で保全業務に就いて欲しい』と言われ、福岡から愛知へ行って2年半」
工場における保全業務なので、設備の維持管理を行う仕事だろうか。本社へ異動し数年経った頃、男性は交通事故に見舞われた。(文:篠原みつき)
会社から「休業補償の手続きが分からない」と言われる
事故は「保全をやっている中」だったというから、労災に当たるだろう。
「足を負傷して一人暮らしが不可能な為、福岡に戻って入院生活をする羽目になり、完治するまで休業で退院後は実家からリハビリ通院でした」
図らずも元の職場に戻ることになり、「完治して復職後、労災や休業補償の手続きを進めていた」という。その際、会社に見切りをつける決定的なことがあった。
「会社から『休業補償の手続きが分からない』と言われ、更に班長からは『実は保全のポジションは正直必要ないんよねぇ』と言われた」
ずさんな扱いの上に、本社で数年やってきたことは無駄だったと言われたようなものだ。休業補償は労働基準監督署に請求するもので、手続きは基本的に本人が行うものだが、実際には会社の助力が求められる。いずれにしても調べれば簡単に分かることだろう。
男性はかなり呆れたようで、会社に「翌月で退職する」と伝えた。会社側には「困る」と言われたが、引き下がらなかった。
「必要無いのに困らねぇだろと思い、『もう1人(本社に)行ってるヤツを戻せば良いだろ』と言い捨てて辞めました」
実は、本社に転勤して保全業務に就いていたのは男性だけではなく、先に赴任していた「もう1人」がいたそうだ。その社員は「(転勤の)期限を過ぎてるのに会社都合で無期限転勤となっていたんです」と明かす男性。その同僚はもとの勤務地に戻りたがっていたのだろう。
「彼を戻す機会が出来た上に、退職出来て一石二鳥でした」
と喜びを語った。ちなみに戻って来たその同僚を辞めさせて自分の転職先に引き抜いたようで、「同じ会社で働く事になりました」と明かした。
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