10万円を静かに受け取る勝者、500円の景品をトレイに叩きつける敗者 パチンコの景品交換所の小窓から見える「人間の器」 | キャリコネニュース
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10万円を静かに受け取る勝者、500円の景品をトレイに叩きつける敗者 パチンコの景品交換所の小窓から見える「人間の器」

画像はイメージ

1月末から、副業としてパチンコホールの近くにある景品交換所で働いている。本業のライター業がしょっぱくなってきたし、いい加減暇な時に散歩するのも飽きた。もう自分の家の周囲は目を閉じていても歩けるようになったので。

しかも景品交換所には冷暖房がある。テレビがある。Wi-Fiがある。電子レンジもある。
この世のすべてがそこにある。面接を経て採用されてホントに良かった。担当者さん、サンクスな!(文:松本ミゾレ)

……景品交換所での仕事はシンプルだ。準備金と景品を数えて金額に差異がないか確認して店を開けて、客が持ってきた景品を買い取る。営業時間が終わったらその日の売上と減った景品の数を数えて、準備金の誤差がないかを確認して帰る。

営業中には、こっちが買い取った景品をさらに買い取る景品卸業者(問屋)が来るので、立ち会って現金と引き換えに貯まった景品を持ち出してもらう。三店方式という奴だ。

基本的に交換所の仕事は大半が景品買取だし、計数もうちは機械がやってくれるので手間はない。たまにその機械が故障してエラーが連発して、その間だけ自分で景品を数えてお金を直接お客に渡す瞬間はあるけど、大抵のエラーは数分でどうにか解消できる。

そうすると後はもう、監視カメラごしにやってくるお客を確認して買取をするだけなので、必然的に、そのお客の態度もかなり観察することになる。

お客にも態度がいい人と悪い人で大きく分かれるもので、この態度の差異は恐らくそもそもの人間性にも由来しているのだろうが、そこはパチンコ屋。勝ち負けによっても大きく変わってくる。

勝っている人ほど謙虚、負けている人ほど高圧的

これは交換所勤務開始から2日ぐらいで分かった法則なんだけど、とにかく大勝した客の態度は、良い。交換所の小さな窓口に景品を持ち込むときに「お願いします」と言ってみたり、10万、20万の紙幣を渡すときに「ありがとうございます」と言ったり、言わなくても会釈。そういう人が6割か7割ぐらいだ。

逆に態度が悪い手合いは、少額交換するお客。1,000円とか500円とか、そういう小さい金額に交換するために窓口に来るお客の中には、トレイに景品を雑に投げ込んだり、ダルそうにしてたり、貧乏ゆすりをする手合いが多い。

まあ、僕も賭博で負けるとそんな具合になるので気持ちは分かるが、「それならそれで貯玉して帰れよ」という思いもするところだ。あと、そんなにイライラして小銭を交換するための作業すらだるそうにするなら、その出玉を飲ませてオケラで帰ればいいのに……とも思ってしまう。

もしかしたらそのわずかな出玉が大当たりに結び付くなんてこともあるだろうし。まあ、ないか! ともあれ、交換所で態度が悪いお客で、大量に景品を持ち込む人というのはまだ出会っていないが、少額交換のお客に嫌な思いをしたことはもう100回ぐらいある。

昨日の上客が今日はゴミ客に…結局勝ち負け次第で人は豹変する!

前述のとおり、交換所で大金を手にする人というのは謙虚である。そして少額交換の人ほど狭い窓口にトレイを乱暴に押し込みがちだ。

ま、そりゃそうよね。パチンコ屋にいる奴なんてのは、勝ってる時はゴキゲンなのだ。逆に負けてる時はこの世の全ての物質を構成する元素すら憎くなる。

交換所では、景品を買い取って渡す現金に関してはその場でお客にしっかり確認してもらうというルールを徹底している。一旦その場から離れて「お金がたりない」と言われても、もう原則としてクレームは受け付けないという仕組みだからだ。だから、ちゃんと渡した額はその場で、しっかり本人に確認をお願いしている。

ところがまあ、みんなちゃんと数えない。特に後ろに人が並んでいる場合は、横にずれてちょうどカメラから見えない場所で、こっちに背を向けて数える。それじゃあ万が一こっちのミスで渡した額が少なくても、即応できないんだよね。

交換所としては、ちょろまかした上で「足りない」って言われてる可能性もあるんだから、しっかりとその場で確認してほしい。そうでなければ、結局その日の営業終了後の売上集計まで待ってもらう羽目になる。なので、ちゃんと受け取った金額はその場で数えてほしいってわけ。

で、大体10万以上勝ってる人はめっちゃ機嫌が良いから、こっちが「この場で数えてください」と言えば、後ろに行列ができててもその場でお金を数えて財布にしまってくれる。ありがたい。

ところがパチンコってのはいつでも勝てるわけじゃない。少し前に大勝して、ホクホクの顔で交換所にやってきて、愛想良く買取をお願いしてきたお客が、トレイに安い景品を投げてよこすということは普通にある。もうそういうのを見ると「うひょ~」って思うよね。もちろん気持ちは分かるんだけど、だいぶ落差がエグいので、これまた記憶に残るものだ。

パチンコ屋の客なんてのは大体金が手に入るとニッコニコ。負けるとカマキリみたいな目つきになるのだ。元々の人間性の良し悪しよりも、勝ったか負けたかが優先されて、顔に出ちゃうんだよね。パチ屋ってそういう空間だから。

そういう人間の両面をつぶさに観測できるのは、交換所の密かな楽しみではある。……まあ、負けた上に交換所の窓口付近に端玉で交換したお菓子のゴミを放置してる客に関しては「マジ勘弁してくれ」って思っちゃうけど。普通にそこ、ホールの店員さんじゃなくて俺が掃除する部分だから……。

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