20代の第二新卒・既卒の3割が「残業時間の過少申告をさせられた」と回答 最長で180時間の残業を経験した人も
20代の第二新卒・既卒の男女の31.5%が「残業時間の過少申告を指示されたことがある」――。1月27日、20代若手に特化した人材紹介会社UZUZ(ウズウズ)が、衝撃的な調査結果を発表した。
男性の4人に1人が月間80時間以上の残業を経験
調査はUZUZサービス登録者のうち、20~29歳の第二新卒・既卒として就職活動中の男女を対象に2017年1月4日~8日に実施し、87人から回答を得た。
「月間の平均残業時間はどのくらいですか?」という質問には、男女ともに約60%(男性66.2%、女性62.5%)が「30時間未満」と回答している。過労死ラインと呼ばれる80時間以上の残業は、女性では回答者がいなかったものの、男性では約6%が「ある」と答えていることは見逃せない。
「過去に経験したうち、最も多かった月間残業時間はどのぐらいですか?」という質問には、男性15.4%、女性8.3%が「100時間」と回答。「月間80時間」と回答した人は、男性では27.7%おり、男性の4人に1人は月80時間の残業の経験がある。ちなみに回答者が答えた最長の残業時間は男性で180時間、女性で150時間だった。
「現在の仕事について、残業時間に不満はありますか?」と聞くと、「残業時間が多すぎて不満」(18.1%)と「残業時間が規制され不満」(15.6%)がほぼ同率という結果となった。規制というと残業時間のみに焦点が当てられがちだが、それによって生じる持ち帰り残業などへの不満があるとも考えられる。
約8割が「残業時間は転職に影響する」と回答
「過去に働いていた会社を含め、実際に残業した時間よりも少ない時間で残業時間を申請するよう、指示されたことはありますか?」という質問に対しては、31.5%とおよそ3人に1人が「ある」と回答した。
残業が発生してしまう理由を聞くと、「業務量が多い」(64.0%)、「人手不足」(53.9%)、「時季的な業務や繁忙期があるため」(49.4%)といった回答が多い。いずれも個人レベルでは対処できない社内の事情が目立つ。
ほかには「周りが残業しているため、早く帰りづらい」(30.3%)や「取引先からの要望に応えるため」(27.0%)など、社内に漂う残業せずに帰りにくい雰囲気なども理由に挙がっていた。
残業時間が長いことは、転職を考えるきっかけになる。38.2%の人が「長時間残業がきっかけで、転職を考えたことがある」と回答している。さらに、「残業の有無や平均時間は、就職・転職活動での企業選びに影響しますか?」と聞くと、「すごく影響する」(40.5%)、「少し影響する」(44.9%)と、合わせて85.4%の人が「影響する」と回答している。