アニメ制作会社の尋常ではない激務薄給ぶり 「プライベート皆無」「ヒラで年収300万円を超えることはない」 | キャリコネニュース
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アニメ制作会社の尋常ではない激務薄給ぶり 「プライベート皆無」「ヒラで年収300万円を超えることはない」

これまでキャリコネニュースでは様々な有名企業で働いてきた人たちの口コミを紹介してきたが、当記事では職種ごとに限定し口コミを紹介していきたい。

今回、取り上げるのはアニメ制作会社で働く人たちの口コミだ。「アニメ産業レポート2017」では、海外市場などの拡大でアニメ産業市場は7年連続で続伸、2016年に初めての2兆円超えとなり、第4次アニメブームとも言える状況が示されているが、アニメーターなどの低賃金問題が叫ばれ、過酷な労働環境の問題も広く認知されている。(※参照元 キャリコネ

「制作進行として初任給17万円で入社。1年間は契約社員」

働く環境が良いとは言えません

働く環境が良いとは言えません

帝国データバンクが発表した2018年7月時点のアニメ制作企業255社を対象とした調査「アニメ制作企業の経営実態調査」では、「増益」企業が3年ぶりに5割を超え、収入高合計で初めて2000億円を突破し過去最高となった一方、下請けとなる専門スタジオでは平均収入高が依然として低水準で推移しており、同じアニメ業界でも制作態様別で業績の格差があることが指摘されている。

実際のアニメ制作の現場にはクリエイター以外にも様々な職種の人たちが携わっているが、多くの人たちから給与面に対する不満が寄せられており、他の業界に比べても口コミ投稿者たちの年収の低さが目立っている。

「給与は安いですし、賞与も期待薄です。ヒラの内は年収が300万を超えることは無いでしょう。プロデューサー、監督、作画監督クラス等一部は超えてるでしょうが、500万前後が関の山だと思います。ただ、これも業界全体が同じ状況」(映像制作 20代後半 男性 276万円)
「制作進行として入社しました。初任給17万円程度でした。1年間は契約社員です。その後正社員登用となります。昇級は毎年1~2万程度、個人の能力次第で上がっていきますが、管理職に上がらず、20万後半の給与になると、そこからはほぼ昇級しません。管理ポストも埋まっており、退職者が出なければ出世は厳しいです」(AD 20代後半 男性 300万円)

特に原画マン・動画マンといったアニメーターの場合は、歩合制で給料を稼いでいることがほとんど。「プライベートは皆無のつもりで働いた方がいい。私が在籍した頃は月の休日は5日ほど。その休日も仕事がある時があった。残業も多い。とはいえ、出来高制なため、働かないと食っていけないので仕方ない。むしろ仕事が多いほうが有り難い。この業界を目指す人は皆分かっていることだとは思うが」(映像製作 20代前半 男性 60万円)といった声が見受けられる。

年収60万円の表記が口コミ投稿時の入力ミスなのかどうかも一見して判断できない業種・職種は、業界広しとはいえアニメーターくらいかもしれない。

労働環境が悪く人材が育たない……人手不足倒産も?

賃金の低さも去ることながら長時間労働・不規則な生活になりがちで、ストレス度も高いようだ。しかも口コミを見る限り、業界全体が同じような状況のため、有名タイトルを多く手掛けてきた大手企業といえども、あまり大差ない実態のようである。

「残業代等は出ません。規定の終業時間で仕事が終わることは無く、毎日日付が変わってからの帰宅、状況によっては朝帰り、泊まり込みも有ります。休日出勤も多いです」(映像制作 20代後半 男性 276万円)
「勤務時間はかなり長いです。長く勤めて地位を確保すればプライベートも考慮して働けるようになりますが、特に若いうちはプライベートを優先するのは難しいです。やりがいのある仕事ですが、ある程度深夜まで働くことが日常になるのは覚悟しておく必要があると思いました」(その他 30代後半 女性 250万円)
「業界全体にも言えることだが、余りにも労働環境が悪いので長続きしない人が多く、人材が育たない。会社やルールに余り縛られず自由なスタイルで働くフリーランサーの都合や感覚に合わせて仕事をすることに慣れてしまっているので、規則正しい生活や業務パターンになりづらく、非常に効率が悪い。末端の社員がどうこう言って改善できるレベルではなく、すでに業界全体の「伝統」にまでなっている悪弊」(映像制作 20代後半 男性 400万円)

先述の帝国データバンクの調査は、「アニメ制作企業の倒産・休廃業・解散件数推移」で2017年は倒産が4件、休廃業・解散が2件の計6件と、2000年以降で3番目に多くなっており、2018年7月時点でも3社が倒産と報告。制作スケジュールの過密化や労働環境の悪化、人材不足といった諸問題の影響の顕在化としている。

今後も日本のアニメ産業が発展していくためには、下請制作企業などの過度な価格競争からの脱却や、クリエイターたちの労働環境の改善・整備が不可欠なようだ。(※参照元 キャリコネ

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