Word新機能”暴れ回るティラノサウルス”を使ったビジネス文書作ってみた 退職願や忘年会案内の彩りになりうるのか?
マイクロソフトの「Word for Office 365」の新機能が12月上旬頃からネットで話題になっている。3Dモデルのティラノサウルスが足踏みする、というもので、公式サイトには「アニメーション 3D グラフィックスを挿入して、鼓動する心臓、周回する惑星、暴れ回るティラノサウルスをページおよびスライド上に表示できます」とある。
拡大・縮小はもちろん360度回転させられる。つまりこのアニメーションがあれば好きな大きさ、角度でWord文書上にティラノサウルスを暴れ回らせられるのだ。簡単に彩りやインパクトを与えられ、見る人を飽きさせない文書が作成できる。
筆者は業務上Officeをよく使用するが、今まで文字のフォントや色を変えた程度の文書しか作成したことがない。しかし今回、この新機能を用いてビジネス文書を作成してみようと思う。
景気のいい忘年会を表現するため、空からコインを降らせてみる?
まずこの時期、作成される機会が多いのは「忘年会のお知らせ」だろう。通常、忘年会の開催日時、会費、場所など店舗情報、出欠締切日などが掲載されているシンプルな回覧文書だ。アニメーションを使用するとどのような文書に変わるだろう。
アニメーション3Dグラフィックは前出のティラノサウルスだけでなく、昆虫・魚・宇宙人などの生物や、戦闘ヘリといったものまであり全部で52種類。ここから好きなものを選ぶのだが、いざ使おうとすると躊躇してしまう。
しかし忘年会ということで「景気の良い書面にしたい」という思いのもと、余白部分に「プロペラ機」と「ドローン」を配置。その下に「降ってくる無数のコイン」を配置すると、コインが空からばらまかれている図になった。
また宴会の華やかさを訴求するため「ジャグリングをするタコ」を置くと、空から落ちてくるコインに歓喜している様子が表現できた。カラフルかつ動きのあるアニメーションのおかげで賑やかな文書となった。
続いて「請求書」を作成する。先方に「これはすぐに支払わなければ」と思って貰えるような請求書はどのようなものかを考えると、やはり焦燥感をかきたてる文書ではないだろうか。左手前に大きく口を開けながら向かってくるティラノサウルスを配置し、その後にもティラノを数体並べ、沢山やってくるように演出する。請求書の空いたところに戦闘ヘリでも置けば完璧ではないだろうか。
退職願は、強い意志を示すためにティラノサウルスを挿入
残念ながら「退職願」を出すこともあるだろう。特に現在就業する企業がブラック企業だった場合、ストレスをすべてぶち撒けて退社したい人もいる。しかし「お腹を上にした魚群」や「戦闘ヘリ」を配置すると、就業先に喧嘩を売ったのも同然となる。
ここはシンプルに、余白部分を大きく使って「右へ向かって走っていくティラノサウルス」を置く。本当は自分の栄えある未来を祈って、右肩上がりに進ませたいが堪える。まずはブラックから逃げることが大切なのだ。ティラノが横切れば、経営者も動揺するのではないだろうか。
計3種類の文書を作って分かったことは、アニメーションを追加しすぎると文書に表示されるまで非常に時間がかかってしまうことだ。1つを挿入するだけで1分程度かかったこともあるし、「どれを入れよう」と悩んでしまい文書作成時間が普段の倍以上となった。
何よりデータファイルの大きさが、通常の退職願が13キロバイトなのに対し、ティラノ1体入れると32メガバイトとなる。その上、ティラノたちが暴れまわるのはディスプレイ上のみで、プリントすると静止画となってしまう。ここは紙ではなく、データで送りつけたいところだ。
中々「文書作成」という面では使用が難しく感じられた3Dアニメーションだが、文書の片隅に置いておくと穏やかな気持になれた。